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味わい深く心をつかむ うまい酒を

2016-12-23 17:00:00 | 編集手帳

12月19日 編集手帳

 

 外国で酒場を開くため、
2人の男が様々な酒を仕入れて船に乗る。
ところが上陸寸前、
瓶詰の商品には重税がかかると知らされ、
瓶を開けて二つの樽(たる)にぶちまけた。
一つ目の樽の酒はひどい代物だったが、
二つ目は美酒となり大もうけする。
帰国後、2人は汗だくで再現を試みるが…

オー・ヘンリーの短編『幻の混合酒』である。
税との闘いは時に思わぬ恩恵をもたらす。
ウイスキーが熟成のうまみと琥珀(こはく)色を得たのは、
税逃れに木樽に隠したのがきっかけという。

この20年余、
ビール会社の闘いを応援してきた人も多かろう。
少しでも安くと、
麦芽の少ない発泡酒、
別の原料を使う「第3のビール」を次々と開発した。
だが、
税制改正で、
今後10年かけ、
みなビールと同じ税率になるそうである。

ビールは減税され、
発泡酒は捨て石となる感もある。
かつては政府税調の会長に「酒文化を損なっている」と味まで酷評された。

味わいを磨き、
健康志向に応え、
企業努力は消費者の心をつかんできた。
税対策ではなく品質の競争に専心すれば、
もっとうまい酒が生まれよう。
税制が「賢者の贈り物」になればいい。



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中国ネット販売急増 巻き返し狙う日本企業

2016-12-23 07:15:00 | 報道/ニュース

11月28日 国際報道2016


中国のネット販売の売り上げは3年で2倍以上に急増。
今年はさらに売り上げが伸びると言われている。
その一方でネット販売の急拡大に押されて
店頭でものを売る小売業界は経営環境が悪化している。
中国の上場している小売企業のうち
売り上げが前年割れした企業の割合はここ3年で急増。
今年は全体の6割以上が売り上げを減らしている。
こうしたなか中国に進出した日本のスーパーやデパートなども業績が振るわず
きびしい状況に追い込まれている。

中国ではネット販売に押され商業施設では深刻な影響が出ている。
遼寧省のデパートではテナントが次々に撤退し空き店舗が目立つようになった。
中国では全体の4分の1にあたる1、000近くの大型商業施設が経営危機にあるという。
採算の悪化で閉鎖に追い込まれる商業施設も少なくない。
北京にある日系スーパーの主力店も10月に営業を終了。
北京に最大9店舗あったが7店舗が閉鎖に追い込まれた。
(イトーヨーカ堂 常務執行役員 三枝富博中国総代表)
「非常にネットの存在というのは肌で感じてきている。
 お店で商品を見てそのまま買わないで帰る。
 なぜならばネットだと値段が安いから。」
ネット販売の攻勢にどう対抗するのか。
この日系スーパーが力を入れているのが生鮮食料品売り場の充実である。
誰がどのように生産したのかを表示。
商品のバーコードにスマートファンをかざすと詳細な情報を確認できるようにした。
値段は通常の商品の2倍以上だが
安心・安全を前面に打ち出し
ネット販売が広がるなかでも着実に売り上げを伸ばしている。
(客)
「子どもに安全なものを食べさせたい。
 ここは信頼できる。」
「実際の店舗は値段が高くても信用できる。」
この売り場を担うのが専門の買い付け部隊である。
ネットでは流通していない品質の高い野菜や肉などを生産する農家を
中国全土で開拓しようとしている。
買い付けの担当者は頻繁に農家を訪ね
商品の安全性や品質を自ら確認している。
(農家)
「雑草はすべて手で抜いています。」
(担当者)
「農薬は使っていない?」
(農家)
「使っていないから値が張るんです。」
この農業法人は有機野菜を専門に扱うが
店頭での販売好調を受けて
毎日400キロ以上の野菜などをおろしている。
買い付けの担当者はネット販売に客が流れないよう
店の看板商品として扱いたいとさらなる増産を依頼した。
このスーパーの食品にてこ入れした店舗では黒字を確保できる見通しである。
ただネットでも生鮮食品が次々と売られるようになり
商品の差別化が生き残りのカギになっている。
(イトーヨーカ堂 常務執行役員 三枝富博中国総代表)
「ネットだから“何でも売れる”というものではなくて
 “求める品質があるもの”
 “求める価値があるもの”
 という意味で独自のオリジナル商品をどう提供できるか。
 本物だとかこだわりというのは中国人客自身わかってきているから
 それに答えられるような企業としての対応力を高めていくことが求められている。」
ネット販売の急増は商品を運ぶ物流会社にも影響を及ぼしている。
日本の大手物流会社は6年前 上海に進出し
国際配送や
中国には無かったクール便を展開。
配送の質の高さを売りに事業を拡大してきた。
さらにネット販売の事業にも今年 新たに参入した。
この会社では中国の大手ネット通販会社と提携し
日本企業を仲介。
日本の人気のある商品を中国のサイトで直接販売できる仕組みを作った。
大手物流会社では中国のネット通販会社に対してこれまでに3社の日本企業を仲介。
高品質な日本製品の販売でサイト全体の売り上げ拡大につながるとアピールしている。
(日本 大手物流会社 担当者)
「中国・海外に興味のある日本のお客様を御社と結び付けることで
 お客様も御社も我々もWINできるように。」
(中国 大手ネット津半会社 担当者)
「中国のネット通販市場は毎年20%ずつ伸びています。
 私たちは2億人近い顧客がいます。
 日本企業にとってもビッグチャンスですよ。」
大手物流会社は大阪に本社がある日本の通販大手を訪ねた。
この会社の肌着と上着が一体化したベビー服などは中国で人気を集めている。
この通販大手では中国のサイトでの販売が実現すれば
中国で知名度が飛躍的に高まり売り上げが大幅に増やせると期待している。
(千趣会 EC企画運営部 岩本公輔さん)
「中国という大きなマーケットで当社のブランドを認知していただき
 購入につなげる活動に何が何でも対応したい。」
(ヤマトグローバル ロジスティクスジャパン 岡野哲也支店長)
「今までお客様は“いつ届くかわからない”という課題を抱えていました。
 中国へのプラットフォームを作ることで
 日本のお客様の販売拡大とともに
 中国のお客様も無事に安全に確実に届くサービスを提供したい。」



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