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本は“城の崎にて”

2016-12-19 07:15:00 | 報道/ニュース

11月25日 おはよう日本


志賀直哉の小説「城の崎にて」。
この小説の舞台となっている城崎温泉の魅力を本で伝えようという取り組みが始まっている。
兵庫県北部の城崎温泉。
歴史ある旅館が並ぶこの町には
日常とは違ったゆったりとした時間が流れている。
この城崎温泉で静かな話題を読んでいるのが
人気作家の万城目学さんと湊かなえさんが書き下ろした
見た目が一風変わった本である。
万城目さんの「城崎裁判」は
スランプに陥った作家が城崎を訪れ物語は始まる。
装丁にも一工夫。
ブックカバーには温泉タオルを使っている。
湊さんの「城崎へかえる」は
幼いころから城崎を訪れていた女性の一人旅を描く。
表紙の風合いは名物のカニをイメージ。
これらの本を手に入れることができるのは城崎温泉だけである。
(旅行客)
「城崎温泉でしか買えないみたいなので
 せっかく来たので買っておこうかと。」
千年以上続く名湯には多くの小説家や歌人が訪れた。
与謝野晶子と鉄幹
島崎藤村
司馬遼太郎
名だたる作家たちが滞在し作品を生み出した。
志賀直哉が定宿にした旅館 三木屋。
「城の崎にて」にも登場する。
三木屋10代目の当主 片岡大介さん。
片岡さんら旅館の若手経営者は訪れる人を増やすために
文学とのゆかりの深さを生かしたいと考えていた。
「カニだけではやっていけない。
 オフシーズンをどう盛り上げるかという中で
 それ以外のこともしなければ。」
そこで目をつけたのが本。
出版のためにNPOを起ち上げた。
執筆を依頼した万城目さんには2度の城崎滞在でイメージを膨らませてもらった。
湊さんは年末を城崎温泉で過ごすのが恒例。
その縁で執筆が決まった。
万城目さんの「城崎裁判」は初版の1,000部がすぐに完売。
その後も版を重ねている。
現在 最新刊の湊さんの「城崎へかえる」も好調である。
万城目さんと湊さんが城崎温泉を訪れ
この町の魅力を語った。
(作家 万城目学さん)
「こんなにしっくりと町に自分の作法がフィットすると思わなかった。」
(作家 湊かなえさん)
「おじいちゃん おばあちゃんが住んでたり
 自分が昔住んでたりしなくても
 こういう“心のふるさと”というのは自分で作ることができるんじゃないかと。」
(作家 万城目学さん)
「“城崎で書いて”“城崎でしか売らない”
 すごくおもしろい。
 間違いなくひとつの形。」
(「三木屋」当主 片岡大介さん)
「城崎のガイドブックのようにも楽しんでいただけるのでは。
 これからも“本と温泉”は継続していく。
 町全体で取り組んで
 育てていきたい。」
この地でしか手に入らない本。
この地だから生まれた本。
城の崎にて
あなたを待っている。



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