8月28日 国際報道2018
東京新宿にあるゲーム開発などを教える専門学校。
8月 中国の理系大学トップの精華大学から学生15人が1週間の短期留学にやって来た。
学生の1人 呂松澤さん(19)。
大学卒業後はゲームクリエイターになりたいという呂さん。
同級生たちとのサークル活動で独学でゲーム開発に取り組んできた。
今年6月 呂さんたちはゲームのアイデアを競う中国国内のコンテストで優勝した。
しかし中国では欧米などで開発された既存のソフトウェアによるゲーム開発が主流なため
独創性にかけ似通ったゲームが多いという指摘もある。
そこで呂さんたちはゲームをゼロから開発する技術がある日本に学びに来たと言う。
(呂さん)
「中国の大学では総合的な教育が優先されています。
ゲーム開発のような専門的な教育を受けるのはとても難しいんです。」
日本ではこれまで30年以上にわたってゲームメーカー各社が激しい開発競争を繰り広げてきた。
その結果
独自のストーリー展開やち密な映像表現などで
世界を席巻するゲームが生まれてきた。
(呂さん)
「日本の技術や伝統には本当にいいものがあります。
中国は比べものになりません。」
呂さんたちは滞在中
かつて日本のゲームメーカーでプログラマーとして活躍していた講師から
既存のソフトウェアを使わずオリジナルのゲームを作るノウハウを学んだ。
そして最後に与えられた課題が
“何かをおとす”という要素を含むゲームを2日間で作り上げることだった。
呂さんたちにとって最大の難関となったのが
どのようなゲームを作るか
その方向性を決めること。
「お椀を頭に乗せておとさないようにするのはどう?」
「それは難しいぞ。」
議論の末
キャラクター同士が押し相撲をする対戦ゲームを作ることになった。
「鬼のキャラクターは必要か?」
「必要だ。
書いてくれ。」
さっそくキャラクターを描きだし
動きをつけるプログラムを組み上げていく。
ゼロから2日間でゲームを完成させるのは難しいと思われたが
「こうするとキャラクターが傾いたり戻ったりする。」
日本人の学生たちも呂さんたちの理解力の高さに驚いていた。
(日本の学生)
「地頭力がすごく高いですね。
プログラムを自分のものにするのが早かった。」
呂さんたちには日本のゲーム会社も熱い視線を送っている。
中国市場への参入を目指し
有能な人材を求めて視察に訪れた。
(日本のゲーム会社幹部)
「中国人クリエイターの需要は増える一方で
実際に取り合いになっている。」
全くのゼロからひとつのゲームを作り上げた呂さんたち。
独創性あるゲームの開発に取り組みたいと意欲を高めていた。
(呂さん)
「ゲーム制作全体の流れも学べたし
具体的な制作の過程も知ることができて良かった。」