9月3日 国際報道2018
8月にインドネシアで開催されたアジア大会。
陸上男子100m。
地元インドネシア代表のラル・ムハマド・ゾーリ選手(18)。
7月に行われたジュニアの世界大会で金メダルをとり
いまインドネシアで最も注目されている。
今回のアジア大会を特別な思いで迎えていた。
ジャカルタから1,000km以上離れたロンボク島。
7月から9月にかけてマグニチュード6を超える大きな地震が相次ぎ
死者は500人以上に及んだ。
ゾーリ選手の故郷の村も大きな被害を受け
親戚も地震の犠牲となり亡くなった。
(インドネシア代表 ゾーリ選手)
「建物は90%くらいつぶれてしまっています。
景色が一変してとても悲しいです。」
大会直前に故郷を襲った大地震。
アジア大会という大舞台で
最後まで走りぬく姿をロンボク島の人たちに届けたいと考えていた。
(インドネシア代表 ゾーリ選手)
「みんなに勇気を持ってもらいたいし
ロンボク島の人たちのために
元気や勇気が出る走りをしたいと思います。」
迎えたゾーリ選手の100mの決勝レース。
スタートで出遅れたが最後まであきらめなかった。
最年少ながら7位入賞を果たし
観客を沸かせる。
(インドネシア代表 ゾーリ選手)
「会場にはロンボク島の人たちもいて
インドネシアのみんなが応援してくれて力になったので
とても感謝しています。
自信を持って走ることができました。」
さらに島民を勇気づけたのは400mリレー。
第2走者のゾーリ選手が強豪中国を抜き去り2位に順位を上げる。
そしてそのままゴール。
インドネシアチームは銀メダルという初の快挙を成し遂げた。
レース翌日
島に戻ったゾーリ選手を多くの人たちが出迎えてくれた。
ゾーリ選手の走りは島の人たちに元気を与えていた。
(島民)
「ロンボク島の人たちはゾーリ選手から元気をもらいました。」
「ゾーリ選手が良いレースをすることを
祈りながら
携帯で大会を見ていました。
ここから立ち上がっていこうという気持ちになりました。」
(インドネシア代表 ゾーリ選手)
「僕の走りでこんなに元気になってくれる人たちがいて
災害を少しでも忘れることができるんだとしたら
2020年のオリンピックに向けて
インドネシアそしてロンボク島のために全力を尽くします。」