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“日本産ブランド果実” 海外流出の実態

2018-09-26 07:00:00 | 報道/ニュース

9月4日 おはよう日本


シャインマスカットは茨城県にある国の研究機関が10年かけて開発した。
甘くて皮ごと食べられるため人気が高まっている。
このシャインマスカットはいま中国で急速に栽培・販売が広がっている。
さらに日本産を装ったブドウも出回り
中国などに輸出を進めようとしている国内の産地に脅威になっている。

最近 出回っていることがわかった日本産を装ったシャインマスカット。
岡山県がブルンド化を進める“晴王”との表示があるが
中国で作られた偽物である。
香港にある日本産の果物を扱う貿易会社。
こうした中国産のブドウの中には日本産とそん色のないものも出始めていると言う。
「このレベルは言われなかったら中国産とわからない。」
「こんなに早く
 高いレベルの商品が市場に出回るのは驚き。」
「中国産のシャインマスカットでも商売 勝負ができると感じて
 中国産に代えている販売業者が増えているのかな。」
中国産のシャインマスカットが市場に出回ると
日本産の輸出にも影響を与えるのではないかと懸念されている。
その“晴王”を作っている岡山県倉敷の農家。
国内市場が年々縮小していくなかで“晴王”のブランド化を進め
輸出に活路を見い出そうとしていただけに憤りを感じていた。
(生産農家)
「海外の消費者が品質が同等と判断したら価格競争になる。
 価格低迷が起きるかな。
 脅威です。」
中国産のシャインマスカットはどれだけ生産と販売が広がっているのか。
上海の富裕層が利用するスーパーでは
中国で栽培されたシャインマスカットが山積みに。
1房68元(約1,000円)と日本産の3分の1ほどの値段で売られていた。
次々に売れていく。
(客)
「はい ずっと買います。」
「おいしいからいつも中国産を食べています。
 日本の果物は高いから。」
シャインマスカットの生産が盛んな河南省の農園。
この農園の栽培面積は4ヘクタールと 
日本の平均的な農園の8倍以上の広さがある。
年間50トン近く生産しているが
作れば作るほど売れることからさらに規模の拡大を考えていると言う。
(生産者)
「収入は増えたよ。
 うまくいけば5倍くらいになるかもね。」
シャインマスカットの栽培技術を普及する専門家までいることも分かった。
中国各地の生産者が集まって設立された団体の幹部の男性。
団体では最新の生産技術などを共有し
生産量と品質を向上させようとしている。
(生産者団体幹部)
「中国でのシャインマスカットの人気はますます高まると思います。
 栽培する人も増えています。
 私たちは団体を設立した去年を“シャインマスカット元年”としました。」
日本で開発されたシャインマスカットがなぜ中国に流出したのか。
(中国での栽培に詳しい専門家)
「直接 日本の種苗屋さんから購入することは難しい。
 大体は日本にいる人を通じて苗を購入したのではないかと思う。」
さらに中国の生産者が日本の武道農園を訪れ無断で苗を持ち帰るケースがあったことも分かった。
シャインマスカットの苗が最初に中国に渡ったとみられるのが11年前。
今では少なくとも24の省や自治区で栽培が広がっていた。

品種登録とは
果物などの開発者が種や苗の生産や販売などを独占できる権利を守る制度である。
品種登録は国ごとに行わなければならないが
シャインマスカットを開発した農研機構は
もともと国内での生産を想定していたため
海外での登録をしていなかった。
海外での品種登録は少なくとも100万円以上のコストがかかる上に
国内での出願から6年以内と期限が決められている。
シャインマスカットの国内の出願は15年前なので生産や販売を差し止めることはできない。
農産物を知的財産だということを忘れずに輸出を前提として品種登録を進める必要がある。
国は一昨年から品種登録にかかる費用を一部補助する制度を始めた。
政府は農産物などの輸出額を来年までに1兆円にする目標を掲げているが
日本の市場が縮小していくなかで
攻めの農業を進めるためには
権利を守る意識を高める必要がある。
















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