日暮しの種 

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お勉強いたします

ただ生き生きと生きるために生まれてきた

2016-09-15 07:15:00 | 編集手帳

8月31日 編集手帳

 

 この時期はいつものことだが、
駅に向かう道で一つか二つセミの亡骸(なきがら)を目にする。
〈こゑつかひ切つたる蝉(せみ)か地をあるく〉(濱田俊輔)。
声を使い切り、
地を這(は)う 力も尽きたのだろう。

アスファルトに置いておくのは気の毒で、
そばに木があれば根もとに移してやることにしている。
終戦の日や原爆忌に限らず、
虫ひとつまでが人を感傷に誘う夏は“いのちの季節”かも知れない。
それなのに、
である。

今年の梅雨は7月下旬、
相模原市の障害者施設で起きた惨劇とともに明けた。
8月は、
埼玉県東松山市の事件とともに終わろうとしている。

少年(16)の遺体が河川敷で見つかり、
14~17歳の少年5人が殺人容疑で逮捕された。
電話やメールでの呼び出しに被害者が居留守を使ったことなどに腹を立てての犯行と報じられている。

川柳作家の時実(ときざね)新子さんに一句がある。
〈死ぬためにただ死ぬために蝉生まれ〉。
小さな虫の、
はかない命をいとおしむまなざしが優しい。
ましてや人間である。
生きるために、
ただ生き生きと生きるために生まれてきた人間である。
殴られ、
アザだらけの全裸で溺死した君たちの仲間は。



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東京パラリンピックへ 障害者支援 新ビジネス

2016-09-14 07:15:00 | 経済フロントライン

9月3日 経済フロントライン


車いすバスケットボール 日本代表 藤本怜央選手。
競技生活に専念している
数少ない障がい者アスリートである。
藤本さんは静岡県にあるアルミ加工メーカーに所属している。
しかし現在 通常の業務にはついていない。
それでも会社は“長い目で見ればプラスになる”と考え
障がい者アスリートを採用している。
(SUS 人事チームマネージャー 横澤俊司さん)
「競技生活が終わった後も
 社員として残って一緒に働いてもらう条件の雇用。
 今まで彼らが培ってきたものを
 将来的に社員のフィードバックしてくれる。
 すごく楽しみ。」
企業と藤本さんとの橋渡しをしたのは
障害者アスリートの就職支援会社である。
選手の就職が決まったら企業から紹介料を得るというビジネス。
去年は30人の就職が実現した。
(就職支援会社 つなひろワールド 社長 竹内圭さん)
「一過性のブームではなく
 障害者アスリートと企業がしっかりと環境関係性をつくれるというのが
 しっかりと永続的に続く環境というのを願っている。」
(車いすバスケットボール 日本代表 藤本怜央選手)
「企業が支えてくれるおかげで専念できる。
 今の雇用形態が間違いなくリオパラリンピックの結果につながる。
 2020年の日本の活躍につながる。」
東京パラリンピックを目指して
バリアフリー化のシステム開発を進める企業もある。
「本館入り口からシアターまで行きたい。」
2回のシアタースペースまでご案内しますか?
建物の中で視覚障碍者を案内する音声ナビゲーションシステム
その実証実験を行っているのは大手建設会社 清水建設。
建物の中はGPSだけではとらえきれない複雑な構造が多く
視覚に障害がある人が歩くのは難しい。
さまざまな場所に取りつけられた通信機器。
ここから発信する電波で歩行車の位置を把握し
屋内の立体的な地図データと重ね合わせて案内する。
あと6メートル
 続いて階段を使って上の階に行きます
 そろそろです
2年後の実用化を目指して実験を重ね
改良点を洗いだしている。
「階段は直線
 全部で34段です
 2階のフロアーはカーペットです」
(加藤満裕美あん)
「健常者のように
 “今日はここに行ってみたいな”と思った時に
 ぶらりと1人で行けるなんて素敵だと思う。」
(清水建設技術研究所 上席研究員 貞清一浩さん)
「大規模なショッピングセンター
 病院の案内や呼び出しのサービスに適用できる。
 市場規模としては無限にある。」



 

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見て楽しめる!車いすバスケの魅力 

2016-09-13 07:15:00 | 経済フロントライン

9月3日 経済フロントライン


車いすバスケットボールが盛んな国の1つ ドイツ。
2部制の全国リーグは
24のチームが競い合っている。
チケットは11ユーロ(約1,300円)。
会場が観客で埋まる試合も少なくない。
車いすバスケの魅力は激しいぶつかり合い。
そしてその独特のルールにある。
出場する5人の選手には
それぞれ障害の程度によって持ち点(1~4,5点)が設定されている。
点数は障害が軽いほど高く
重いほど低くなる。
5人の合計点を14点以内にしてチームを結成しなければならない。
攻撃的な場面
守備的な場面によって
14点以内の選手を入れ替える。
その戦術を楽しむのである。
車いすバスケが競技スポーツとして根付いているドイツ。
ドイル車椅子スポーツ連盟理事で
自らのチームの事務局長を務めるアンドレアス・ヨネクさん。
「他の協議と同様
 プロスポーツとして市場化すれば
 “楽しめる競技”として人々に受け入れられるのです。」
チームのプロ化が進んだのは2000年。
それまで各チームにはスポーツクラブのようなチームしかなかった。
連盟が目指したのは
各チームが独立採算を自立することだった。
まず始めたのが競技の魅力を広めるためのイメージ戦略。
会場で配る冊子には選手の個人ストーリーなどを掲載。
通りに面した壁には選手のかっこいい写真を飾った。
さらに各チームが地元の商店や病院の呼びかけで運営資金を募った。
しだいに地域の人たちが試合会場に足を運ぶようになり
なかには大手のスポンサーがつくチームも現れるようになったのである。
(ドイツ車椅子スポーツ連盟理事 アンドレアス・ヨネクさん)
「今では試合の1時間以上前から
 お客さんが列になって入ってきます。
 そして2,000人もの人が私たちにスタンディングオベーションをしてくれます。」
ヨネクさんのチームの年間収入は約75万ユーロ(約8,700万円)。
そのうちスポンサー収入が85%である。
独立採算のカギはスポンサーをいかに獲得するかにかかっている。
今ではインターネットによる試合の配信も行われるようになった。
選手のレベルが上がり
それが観客をさらに呼び込むという好循環につながっている。

一方の日本。
各地にチームがあるが
ほとんどがスポーツクラブのような団体である。
公式戦では観客はまばら。
入場料はどの試合も無料である。
チームの運営費は選手の個人負担で賄っているのが現状である。
東京パラリンピックを目指して日本の競技団体も動き始めている。
8月下旬
日本車椅子バスケットボール連盟に役員が集まって会議が開かれた。
競技としての魅力を広く知ってもらうために
ドイツのようなトップリーグの創設に乗り出したのである。
「システムを作っていかないと。」
「だからやらなきゃいけない トップリーグを。」
(日本車椅子バスケットボール連盟 専務理事 小瀧修さん)
「やっとスポーツとして認知されるような状況になってきている。
 2020年に向けて観客動員を頑張っていきたい。」
各チームでは独立採算に向けて
独自に資金を集める取り組みがスタートしている。
群馬マジック(関東車椅子バスケットボール連盟)で
選手をしながら監督をしている 高橋俊一郎さん。
地域の企業に試合会場に足を運んでもらい
資金面での協力を得ようと働きかけている。
(ネッツトヨタ湘南 専務取締役 渡邊善憲さん)
「今日初めてです。
 こんなに激しいスポーツなのかと思った。」
地道な努力が実り
支援を申し出る企業も徐々に現れてきている。
(群馬マジック 監督 高橋俊一郎さん)
「僕たちもできることは一緒にやりながら
 企業と一緒にタイアップしながらやれたらと思う。」



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韓国“汚職撲滅法”の波紋

2016-09-12 07:15:00 | 報道/ニュース

8月29日 キャッチ!


ここ数年 韓国では政治家や公務員の汚職が相次いで明るみとなり
大きな社会問題となっている。
これに対して韓国政府は汚職を取り締まる思い切った法律の導入に踏み切ることにした。
その法律は9月22日に施行されるが
飲食店での接待も取り締まりの対象となる。
いわゆるノミニケーションを大切にする韓国で
果たして受け入れられるのか。

ソウル中心部の韓国伝統料理店。
接待などで利用するビジネスマンでにぎわっている。
長時間煮込んで手間暇かけた肉料理。
色とりどりのキムチや野菜。
おいしい料理と酒を囲んで商談も進む。
しかしこの何気ない風景も
9月28日からは一変することになる。
(韓国KBS 7月28日)
「国民の日常生活まで刑事罰の対象になると心配されます。」
接待する相手が公務員だと処罰されることになったのである。
(利用客)
「法的に問題になるのなら公務員の友人とも会いづらくなる。」
「飲食店は当然 打撃を受けるでしょう。」
韓国社会では当然のように行われてきた公務員への接待。
しかし時として接待がエスカレート。
巨額の金銭がからみ汚職事件へ発展するケースが
ここ数年 メディアで取り上げられている。
韓国の汚職の広がりを示すものとして
ドイツのNGOが世界各国の政治家や公務員を調査した結果がある。
今年1月に発表した
2015年の各国の清潔度ランキングによると
OECD経済協力開発機構34カ国のうち韓国は27位と低い水準である。
国民から汚職への不満が高まるなか
新法制定の直接的なきっかけとなったのが
2011年の汚職事件である。
女性検事が不倫関係にあった弁護士から捜査に関する依頼を受け
見返りに高級乗用車を送ったとして起訴された。
しかし「高級乗用車は恋人へのプレゼント」だとして無罪判決を受けた。
これに対し国民からは
見返りに関係なく
職務に関係のある相手から贈り物を受け取っただけで処罰するべきだ
とする声が噴出。
この世論に応えたのが新たな法律の制定である。
法律の名前は
「不正な依頼 および 金品授受の禁止 に関する法律」。
2015年3月に成立した。
法律の施行に尽力した最高裁判所元判事 キム・ヨンラン氏の名前をとって
“キム・ヨンラン法”と呼ばれている。
キム・ヨンラン法は公務員に対する利益供与を制限するもので
金銭などを贈る場合 約9,000円
贈答品 約4,500円
接待の場合は1回の飲食1人あたり 約2,700円以上
禁止である。
贈る側も贈られた側も見返りの有る無しにかかわらず
双方が刑事罰の対象になる。
さらに処罰対象者も新法制定の過程で拡大した。
公務員だけでなく
私立学校の教員
社会的な影響力を持つメディア関係者とその配偶者まで広がり
対象者は韓国国内で400万人にのぼるとされている。
「韓国社会は接待や贈答に寛容です。
 しかし法律で処罰されるとわかると
 今後は控えるのではないかな。」
「汚職がなくなれは勧告は能力や成果主義になるでしょう。」
一方 新法の影響を予想して
約60年の歴史を持つ老舗の韓国伝統料理店はついに看板を下ろした。
この店の客の半分が公務員だった。
改装して1杯1,000円のベトナム・フォーの店に生まれ変わる。
(料理店経営者)
「この法律で打撃を受ける店は多いでしょう。
 閉店に自責の念もあるし
 この先のことが心配です。」
逆に新法の施行をこれまでに無いチャンスだと捉えている人たちがいる。
(j“不正摘発者”養成塾 塾長)
「ちょっと頭を使えば大きく稼げるのが新法の長所です。
 政府も奨励しています。
 不正を暴く皆さんは愛国者です。」
国民はだれでも不正を見つけて行政に報告すると
最大で1,800円の報奨金を受け取ることが出来るのである。
就職難の韓国で学歴や経験に関係なく稼げるとして
報奨金獲得のノウハウを学ぼうと講習会に多くの人たちが参加した。
不正の申告に重要なのは“証拠”。
隠しカメラで動かぬ証拠を押さえる。
この日は実習のためソウル市内の葬儀場に向かった。
新法では仮にお供えや香典であっても9,000円以上は処罰の対象である。
癒着している企業からの花が無いか
デザインなどからメーカーを特定し価格を確認する。
それだけではない。
芳名録を撮影し誰が来たのがをチェックする。
こうした撮影方法で受け付け台にある香典の額が書かれたノートの撮影もねらう。
(受講生)
「警察はすべてを監視できないので
 市民が活躍して公務員を正すのです。」
しかしこの制度により行き過ぎた監視社会になりかねない
と専門家は指摘する。
(トングク大学 キム・サンギョム教授)
「新法の目的は公の利益を求めるものだが
 私利私欲のために使われると
 国民の間の相互不信が増大しかねない。」

意外にも多くの韓国国民が新法に賛成している。
最近の世論調査でも
賛成が59,3%
厳しすぎるが30%と
賛成が大きく上回っている。
韓国で生活してみると
お酒を飲んで食事をしながら人間関係を構築する
いわゆるノミニケーションを日本以上に大切にしていることが分かる。
また一般的に飲食の会計を割りかんにするという習慣は無い。
おごる・おごられるは当たり前で
公務員に対する接待もある程度は見過ごされてきた。
ただ豪勢な接待や多額の金銭の見返りに便宜を図る汚職が相次ぎ
さすがに接待に寛大な韓国社会も怒りをあらわにするようになり
制限すべきだという世論の流れになった。
かつてない厳しい法律を作った以上
厳守させられなければ行政の責任が問われる。
違反者を摘発するのは本来警察など行政の仕事だが
新法の対象者が400万人と膨大で行政だけではカバーしきれない。
そこで市民1人1人の摘発に期待することにしたわけだが
モチベーションを高める報奨金を設定して
行政がカバーできない部分を補ってもらうことにしたのである。
厳しく取り締まろうとするとかえって公務員が委縮し
最低限の与えられた仕事しかできなるという懸念もある。
さらに経済的な打撃も懸念されている。
飲食業などのサービス業や流通業などで消費が落ち込むことが予想されているが
韓国企画財政相の長官はある研究機関の調査結果を引用しながら
“韓国経済への損失は11兆ウォン(日本円で約1兆円)ほどにのぼる”
と指摘している。
法律の施行をきっかけに汚職を減らすことが出来るのか
新法が施行される9月22日以降の韓国社会には
大きな波紋が予想される。



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伝統行事「ナゴシドン」新たな一歩

2016-09-11 13:11:20 | 報道/ニュース

8月29日 おはよう日本


8月14日 鹿児島県肝付町で行われたナゴシドン(町無形民俗文化財)。
住民の平穏な暮らしを願い
浜辺で舞いを奉納する伝統行事で
町の無形民俗文化財にも指定されている。
しかし踊っているのは地元の人たちではない。
県外などから来た10~20代の若者たちである。
大隅半島南東部の海沿いにある岸良地区。
この行事はもともと8種類の舞を奉納するなどにぎやかに執り行われてきた。
しかし去年参加したのは2人だけ。
奉納した舞も2種類と
存続の危機を迎えていた。
行事を守り続けてきた黒木和人さん(81)。
15歳のときに悪疫退散を祈る「薙刀(なぎなた)舞」を初めて踊った。
伝統の舞を次の世代に残したい。
今年初めてインターネットで全国から踊り手を募集した。
(黒木和人さん)
「田舎に来てくれるかどうか心配でしたが
 どうしても成功させようと話し合いをしてきました。」
募集してから1か月
県内外から合わせて8人の若者が集まった。
横浜市の大学生 溝口良伸さん(23)。
岸良地区と同じ大隅半島の出身で
「過疎化が進む町を少しでも元気にできれば」と参加した。
(溝口良伸さん)
「岸良でやっていることは全国どこでもやっていることではないので
 今回良い体験ができたらと。」
参加者たちはわずか1週間足らずで舞を覚えなくてはならない。
弓矢で悪を打ち払う舞を担当することになった溝口さん。
地元の経験者から舞の見せ方を習う。
長年「長刀舞」を守り続けてきた黒木さん。
教える側に回るのは今回が初めてである。
仙台から受け継いだ砂浜での舞の心得をていねいに伝えていく。
(黒木和人さん)
「岸良の舞をしてくれてよかったと言ってもらえる舞をしていただきたい。」
地域の人たちも協力した。
女性たちはボランティアで食事を準備。
夕食赤いでは地域の人たちと触れ合った。
8月14日 本番当日。
観客の数は例年の2倍以上。
溝口さんが舞う
勇壮な“山の神舞”。
そして黒木さんが守り続けた“薙刀(なぎなた)舞”。
県外から来た二十歳の大学生が舞う姿が観客の目を引きつける。
最後を飾るのは男性の参加者全員が踊る“十二人剣舞”。
(溝口良伸さん)
「“ナゴシドン”は良いものだなと本当に思ったところです。
 これも新しい形としていいのではないかと僕は思っています。」
地元の伝統行事 ナゴシドン。
途絶えかけて居た地域の誇りを後世に伝えていくきっかけになった。

今回 肝付町は訪れた人たちに参加費1万円だけで
1週間分の食事や宿泊
それに温泉施設も利用できるよう
受け入れ体制を整えたということである。
町ではじm古都の人たちと話し合いながら
来年もこの取り組みを続けたいとしている。


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“話題作りで呼び込め”佐賀県の取り組み

2016-09-10 07:15:00 | 報道/ニュース

8月29日 おはよう日本


佐賀県鹿島に広がる広大な干潟。
干潟の泥を懸命にかき集める地元の人たち。
佐賀県はこの泥まで使って県をPRしている。
「世界でもそうあるところではないので
 ぜひ体験してほしい。」
大勢の若者や観光客でにぎわう東京の表参道。
干潟の泥はここに運ばれて来ていた。
「冷たい!」
「めっちゃ泥じゃん。」
「これどうすんの?」
「浮いてる 浮いてる。」
「私も浮いてる!」
佐賀県が人気クリエイターとコラボレーションして
期間限定で設置したこの泥のプール。
佐賀県産の日本酒を楽しめるその名も「ガタバー」である。
干潟の生き物ムツゴロウの干物まで味わうことができ
東京にいながらにして佐賀の魅力に触れることができる。
街角に出現した珍しい空間に大勢の人が思わず足を止める。
(県の担当者)
「泥の中で25m走する。」
(客)
「やりたい やりたい。
 来年佐賀へ行こう。」
企画したのは佐賀県の東京のオフィスで働く職員たちである。
福岡県と長崎県に挟まれて
観光地としても認知度が低い佐賀県。
もっと目を向けてもらおうと
企業やブランドとのユニークなコラボレーション事業を次々に手掛けて
情報発信している。
(佐賀県 田中裕資さん)
「いろんな魅力が佐賀県には詰まっている。
 十分に全国でも戦える魅力は持っている。」
この夏 大勢の人たちを直接県内に呼び込むイベントが企画された。
「福岡から。」
「埼玉から来ました。」
佐賀県の山口知事とともに登場したのは人気の六つ子たち。
会場がどっと沸いた。
県がアニメ「おそ松さん」とコラボレーションしたイベントである。
初日のオープニングイベントには全国各地から650人が訪れた。
佐賀県北部にある唐津市を舞台にスタンプラリーを開催。
観光名所をめぐってスタンプを集めるとアニメのポスターを手に入れることが出来る。
美しい景色を見ておいしい食べ物を味わうなど
佐賀の度を満喫していた。
(東京から来た女性)
「めっちゃきれいですね。
 びっくりしました。
 大勢で来たい。」
(佐賀県 サガプライズ プロジェクトリーダー 金子暖さん)
「情報発信をしただけではなくて
 やっぱりそこから佐賀のものって
 佐賀県っていいねとまず思ってもらうことが
 魅力度が低いということもあって
 大事なことだと思う。」
待っているだけでは観光客は来てくれない。
佐賀県はこれからも人を引きつける様々な工夫を考えて
佐賀の魅力を発信していくことにしている。

佐賀県は次は10月をめどに
今年創業から400年を迎えた佐賀県の有田焼を
企業と協力して東京でPRする事業を企画している。



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変わる!カラオケボックス

2016-09-09 07:15:00 | 経済フロントライン

8月27日 経済フロントライン


東京渋谷の駅の近くにあるカラオケボックス。
2人の営業マンが外回りの合間に打ち合わせをしている。
このカラオケボックスは企業などに定額で部屋を貸すビジネスを7月から始めた。
カラオケ用のモニターで資料を確認しながら
他人に気兼ねしないで打ち合わせが出来るのがメリットである。
(利用者)
「駅からも近いし
 営業マンとしてはいろいろなところで使えたらなと思っています。
(カラオケボックス運営会社 ニュートン 管理本部 松本賀奈子さん)
「カラオケ事業自体が成熟期。
 新しい使い方を模索していきたい。」
このサービスはいま流行りのシェアオフィスの1つである。
都心で新たなスペースを見つけるのが難しいなか
シェアオフィスの運営会社が注目したのがカラオケボックスだった。
(東急電鉄 サテライトシェアオフィス事業担当 茂崎大裕さん)
「カラオケ店はすでにある施設で防音空間もしっかりしている。
 実際にビジネス利用が出来ると
 カラオケ店に目をつけた。」
夕方6時 カラオケボックスに女性客がやって来た。
個室に入ると向かったのはパソコン。
ネットに接続するとすぐにフィリピンにいる英会話の先生とつながる。
このオンラインレッスンは30分単位で利用できる。
派遣会社に勤めるこの女性は
仕事帰りや友達との待ち合わせの前などちょっとした空き時間に利用している。
(利用者)
「家だと家族が後ろにいると気になる。
 個室で集中できる環境で英語が学べるので非常にいい。」
客の少ない日中時間帯を活用しようと始まったこのビジネス。
利用者は毎月2割づつのペースで増えている。
(カラオケボックス運営会社 コシダカ ワンカラ 営業部 栗原正さん)
「朝・昼の時間帯に他のサービスを今後も追求していくことが必要になる。」
DVD発売前の映画が見られるサービスもある。
壁いっぱいの大画面。
そして音響もカラオケボックスならではの迫力である。
友達や家族同士でわいわい楽しめるのが魅力である。
カラオケボックスと映画配給会社が手を組んで始めた。
映画を楽しんだ後は歌で盛り上がる。
カラオケボックスから足が遠のいていた人たちを
もう一度取り戻そうという戦略である。
(カラオケボックス運営会社 ヴァリック 営業企画室 大岡倫子さん)
「映画を見たいが仕事で行けない人に
 夜 利用してもらうなど
 新規客数の向上につながると思う。」

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2016夏 消費の現場 ②将来不安から高まる節約志向

2016-09-08 07:15:00 | 経済フロントライン

8月27日 経済フロントライン


国の分析によると
最近特に節約志向を強めているのは
将来に不安のある20代・30代
そして安定収入のない60代前半の人たちである。
東京足立区に住む松本さん親子。
母の八千代さんは61歳。
縫製のパートで月に11万円ほどの収入を得ている。
息子の義貴さんは35歳。
電気工事の仕事をしている。
月に40万円ほどの収入があるが
今後も維持できるかどうか将来への不安を抱えている。
(松本義貴さん)
「今は働けてるからいいけど
 働けなくなったらぎりぎりの生活をするしかない。」
八千代さんの老後にも不安がある。
頼りになるのは国民年金しかないからである。
(松本八千代さん)
「年金を満額もらえても2か月で10万円ちょっとぐらい。
 年金だけだと絶対的に今の生活は無理。」
そのため日々の支出をなるべく抑えようとしている八千代さん。
買いものをするのは近所のディスカウントストアである。
食費は1日1,000円以内と決めている。
「少人数だから高いものはいらない。
 安いこっちにします。
 そうすると2円でも安いし。」
将来への不安から財布のひもを固く締めている買い物客。
この店では商品の値段をどんどん下げざるを得ないという。
(えびすや商店)
「原価が上がるので値段を上げたいが
 できる限り頑張って
 世の中的に全部物価が上がったら
 ようやくほんの少しだけうちも上げさせてもらおうか。
 なかなかあげられない。
 “上がったじゃない”とすぐ言われるし。」
この1年 特に消費者が価格に厳しい目を向けるようになったという。
「安いので来ちゃう。
 家計にもやさしい。」
「まだ安いものを探して買うという感じ。
 景気がいいという実態はない。」



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2016夏 消費の現場 ①価格戦略 企業の選択は?

2016-09-07 07:15:00 | 経済フロントライン

8月27日 経済フロントライン


今年発売されたプレミアムビール。
一般的なビールより70円ほど高いにもかかわらず
見込みを上回る売り上げを見せている。
(安倍首相)
「デフレ脱却を目指し
 アベノミクスを強力に推進してまいりました。」
ようやくデフレ脱却かと思ったら・・・。
吉野家は牛丼より50円安い豚丼を4年ぶりに復活。
一部の商品の値上げを進めてきたユニクロも
(ファーストリテイリング 柳井正社長)
「お客様の生活ニーズに合わせて
 抜本的に価格を見直し。」
いま低価格へシフトする企業が相次いでいる。、

全国に約1400の店舗があるファミリーレストラン ガスト。
この夏 新メニューの価格設定をめぐって会議が繰り返されていた。 
この5年で世帯収入の構成がどう変わったのかなど
消費者の変化をもとに議論する。
(データ分析担当者)
「中間年収帯がどんどん減っていて
 300万円未満が増えている。
 間違いなく世の中的には価格センシティブ(敏感)な客が増えている。
 少し潮目が変わってきた。」
高い価格のメニューの売り上げの伸びが鈍化し
低価格志向が強まってきたと分析している。
ここ数年 ちょっと贅沢なメニューを積極的に投入して売り上げを伸ばしてきたこの会社。
高価格メニューを維持しながら
低価格のメニューをどこまで充実させていくのか模索している。
「戦略的には低価格の種類を増やすことで
 リピーターを増やして売上高を確保する。」
「どうやって価格以上の価値を与えるかポイント。」
すでに500円前後のランチメニューの強化を始めている。
消費者の反応を探りながら今後の展開を見極める方針である。
(レストラン客)
「安いと思う。」
「絶対に安い。
 これをちょっと作ってと言われたら
 絶対にできない この値段で。
 手軽でお得感はある。」
(ガストを運営 すかいらーくレストランツ 松本純男社長)
「景気はちょうど踊り場というか微妙な位置にあると思う。
 同じ金を払うのであればより価値のあるもの
 出来ればその中でも節約しつつも質のいいものを求めている。
 我々としてはどれだけ価値を出せるか
 常に気を配ってなければいけない。」
思い切った値下げの方針を打ち出した企業もある。
大手スーパーの西友である。
値ごろ感のあるプライベートブランドをさらに値下げすることにしたのである。
価格戦略の統括をしている商品開発部長の越智幸三さん。
去年 まずペットボトルの緑茶で値下げを試みた。
来年末までに100品目を順次下げる予定である。
「昨年まで65円で売っていたものを59円に値下げした。
 客の反応もいいし
 実際に売り上げも45%アップ。」
ただ安いだけでは消費者の支持は得られない。
6月に11円値下げしたコーンフレークは
食感を良くするリニューアルを行った。
今後も品質を向上させながら値下げに取り組む考えである。
(西友 商品開発部 越智幸三部長)
「いいものをより安い値段で提供することで
 より多くの客に来てもらえる。
 その結果 売り上げ・全体の利益を高めていける。」



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美術鑑賞が変わる ミュージアム・ハック

2016-09-06 07:15:00 | 報道/ニュース

8月27日 キャッチ!


Museum Hack
       (勝手に書き換える)
ニューヨークの誇るメトロポリタン美術館。
この世界最大級の美術館をhackしようというツアーが始まる。
「ミュージアム・ハックツアーにようこそ。
 僕らは美術の専門家ではないし
 そうなる気もありません。
 でも面白い裏話をしますよ。」
この日の参加者は会社の仲間だという10人。
美術に興味のない人も混ざっている。
この2時間のツアーのテーマは“裏話”。
作品を選ぶ基準は
芸術的な価値より面白い裏話があるかどうかである。
アメリカの独立戦争を描いた絵の前にやって来た。
ジョージ・ワシントンがイギリス軍に奇襲をかけたときを描いた有名な作品である。
ところがこの名画に意外なものが。
「ちょっと股間に注目。
 チェリーがぶらぶら!」
これは懐中時計の飾り紐。
位置が微妙なため
アメリカ建国の父に失礼だと
つい最近まで歴史の教科書では塗りつぶしてあったとか。
さらに裏話が続く。
「実はこの絵を描いたのはドイツ人なんです。
 19世紀のドイツの人々に刺激を与えたかったんです。」
ドイツで描いたためツッコミどころもいっぱい。
その当時まだアメリカ国旗は無かった。
名画の裏話を堪能した後は登場人物になりきって記念撮影。
ミュージアム・ハックがたち上がったのは3年前。
美術館とは提携関係が無い独立した会社である。
現在ガイドの数は40人。
その多くがアート好きな教師や俳優である。
それぞれが得意分野を生かしツアーの中身を考えている。
(ミュージアム・ハック代表)
「ガイドが情熱を込めて面白いストーリーを語ることで
 その思いがツアー客にも伝わり
 美術館好きになってもらえればいい。」
ツアーの一行が向かったのは館内で最大の展示品 
古代エジプトの寺院である。
1960年代にアメリカがエジプト政府から譲り受けた。
ここでの裏話は
この遺跡をめぐって繰り広げられた美術館同士の争奪戦。
設置場所の決定権を持っていたのは
ケネディ大統領のあの夫人 ジャクリーンさん。
「ワシントンに決まりそうだった。
 ケネディ大統領が暗殺された直後で
 その記念碑になるはずだったんだ。」
そんな中メトロポリタン美術館が決定的な情報を仕入れた。
「ジャクリーンがあのマンションと契約したらしいってことを知ったんだ。」
そのマンションから見えるように外壁をガラス張りにし
夜はライトアップする計画を提案。
ジャクリーンはその案を受け入れ
ここに設置することを決めたという。
(ツアー参加者)
「アートがとても身近に感じられたわ。
 ほかのツアーではできない体験ね。」
「こんなに面白いとは思わなかった。
 意外なアートの歴史をたくさん学んだよ。」


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ケニアで起業 フルーツ農家支援

2016-09-05 16:30:00 | 報道/ニュース

8月27日 おはよう日本


アフリカ ケニア。
市場には新鮮なマンゴー、ココナッツ、パイナップル、スイカなど
さまざまなフルーツが並ぶ。
しかし流通システムが整備されていないため
収穫しても傷んで捨てられてしまうものも多いほか
現地では安い値段しかつかず
農家は安定した収入を得ることができていなかった。
こうした貧しい農家を支援したいと
単身ケニアで起業した日本人女性がいる。
山本歩さん(36)。
一昨年 山本さんは首都ナイロビ近郊に
マンゴーやパイナップルなどをドライフルーツに加工する会社を設立した。
せっかく実った豊富なフルーツ。
腐らせるのではなくビジネスとして活用できると考えた。
山本さんはフルーツを農家から通常の2割ほど高い価格で買い取る。
今では農家にとって貴重な取引先である。
(農家)
「アユミは神様のような存在です。
 農家みんなの生活を良くしてくれました。」
大学で農業を学び
“アフリカで農業支援をしたい”と
5年前 青年海外協力隊の一員としてケニアにやって来た山本さん。
豊かなフルーツがありながらも貧困にあえぐ人々の生活を変えたいと
企業を決意したという。
(山本歩さん)
「良い売り先はないのかと農家の人から何回も聞かれたり
 加工先があって
 そこに安定的に脳科学だものを売ることができれば
 収入向上につながるんじゃないかと。」
“フルーツに手を加えるだけでビジネスとして成立する”
山本さんはドライフルーツの生産にかけたのである。
貯金を取り崩し借金までして
約500万円をかけて工場の運営を始めたが
当初は苦悩の連続だった。
(山本歩さん)
「当初は毎日同じことばかり言っていて
 全然進歩がなくて
 このままだったら続けていけないなというくらい
 あまりよくなかった。」
衛生管理という概念に乏しかった従業員たちに
消毒や掃除を一から教えた。
均等に切るというだけの作業にも手間取った。
「加工作業で大事なことを言ってみましょう。」
「効率・質・安全性
 それに生産性を上げることです。」
基本を何度も繰り返し教え込む努力を重ねた。
1年半が経ってようやく生産が安定しはじめ
売り上げが50万円にのぼる月もある。
いま山本さんの取り組みは多くの農家に広がろうとしている。
この日 山本さんが訪れたのはケニア南西部の集落。
(山本歩さん)
「農家の人たちからドライパイナップルを作りたいと要望があって
 連絡が来たので。」
山本さんの活動を聞きつけた農家が
自分たちも加わりたいと声をかけてきたのである。
農家の人たちだけで加工したドライフルーツを
山本さんが買取る仕組みをつくることになった。
パイナップル農家のマーガレットさん。
“生活を変えたい”と
村から1時間かけて歩いて山本さんを訪ねて来た。
ドライフルーツ作りで収入を増やして
4人の子どもたちに十分な食事を食べさせたいのだという。
(農家 マーガレットさん)
「私も参加して
 たくさん収入を得て
 子どもたちを学校にも通わせてあげたいです。」
(山本歩さん)
「まだやりたいことの1%くらいしかできていないと思うので
 これから少しずつ農家からの買い取り量も増やして
 生産規模も増やして
 少しでもケニアの社会に貢献できるように続けていきたいと思います。」
アフリカの文化に寄り添い
根気強く
地元に合った産業を育てようという山本さんの取り組み。
大きな実を結ぼうとしている。

山本さんのドライフルーツは
今のところケニア国内だけでの販売だが
今後 日本やヨーロッパにも輸出したいということである。
地元の人たちの雇用の機会も増やしていきたいと話している。



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親のゆめ つぎつぎ消して子は育つ

2016-09-04 11:30:00 | 編集手帳

8月26日 編集手帳

 

 『青い山脈』や『長崎の鐘』などで知られる歌手の藤山一郎さんは少年の頃、
勉強が苦手だったらしい。
慶応普通部を卒業するときの成績は52人中51番 だったと、
文芸春秋編『あの人/この人/いい話』(文春文庫)にある。

ちなみに52番が「芸術は爆発だ!」の岡本太郎さんであったという。
かろうじてビリ をまぬかれた藤山さんは東京音楽学校(いまの東京芸術大学)に進み、
こちらは首席で卒業している。

尻を叩(たた)かれても咲かなかった花が、
めぐる季節には黙っていても咲く。
何の分野であれ、
才能とはそういうものなのだろう。

名古屋市で小学6年生の佐竹崚(りょう)太(た)君(12)が刺殺された事件には胸がふさがる。
「成績が思わしくなく、
 勉強させようとして口論になった」。
逮捕された会社員の父親(48)はそう供述している。
蕾(つぼみ)を散らせて、
どうする。

サラリーマン川柳の旧作がある。
〈親の希(ゆ)望(め)つぎつぎ消して子は育つ〉。
それがごく普通の、
幸せな家庭の風景である。
なあ、オヤジ、あの夏は俺も勉強でずいぶん搾られたな…。
生きてさえあればいつか、
父子で昔ばなしを肴(さかな)に酒を酌み交わす日もあっただろう。

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“エビ大国”タイ~養殖復興の道は

2016-09-03 11:30:00 | 報道/ニュース

8月25日 キャッチ!


エビ大国 タイ。
数年前までは
日本でもおなじみのバナメイエビやブラックタイガーなど年間50万トンを生産し
世界最大のエビ輸出国だった。
しかし廃業になり放置された養殖場が各地に点在している。
原因となったのは
エビの内蔵を腐らせ突然死させる
EMS(早期死亡症候群)と呼ばれる謎の病気である。
2011年ごろから東南アジアなどの養殖場にまん延した。
タイ中部でバナメイエビの小食を営むデチヤ・バンルーデーさんも大きな打撃を受けた。
一時は生産量が90%減少したという。
隣で養殖をしていた友人はあきらめて廃業してしまった。
(養殖業者 デチヤ・バンルーデーさん)
「何度も感染しましたが打つ手がなかったのです。」
タイのエビ生産量は一昨年にはそれまでの半分以下に落ち込んだ。
この危機にどう対処するのか
世界の科学者たちが調査に乗り出した。
対策を話し合うためタイの首都バンコクで開かれた国際会議に出席した
東京海洋大学 廣野育生教授。
問題の解決はタイだけでなく日本にとっても重要だと廣野教授は考えている。
(東京海洋大学 廣野育生教授)
「タイからの水産物輸入は常に日本のトップ5に入る。
 1人でやるよりたくさんでやった方が解決の道は広がっていく。」
原因をつきとめるため
日本とタイの共同研究が2011年から始まった。
病気の感染に腸炎ビブリオ菌が関係していることはすでに分かっていたが
自然界にごく普通に存在する腸炎ビブリオ菌を
養殖現場からなくすことは困難である。
そこで病気が発生したふ化場や養殖場から水やエビのサンプルを集め
菌の特徴を丹念に調べた。
その結果 新たな遺伝子配列が見つかった。
この特殊な遺伝子配列を持った腸炎ビブリオ菌だけが病気の原因となり
稚エビやエサの取引を通じ次々に広がていったのである。
研究グループは装置を使って病原菌の有無を調べる方法を開発。
各地の水産試験場を通じて普及に務めている。
(現地研究者)
「装置を使うと業者も助かります。」
病原菌を検出する手段ができたことで
タイのエビ養殖は少しずつ立ち直ろうとしている。
商品の稚エビが感染し全く売れなくなってしまったというふ化場。
水槽などをすべて消毒して事業を再開してからは
サンプルを定期的に試験場に送り
病気が発生していないか目を光らせている。
さらに水質や塩分濃度にも気を配り
エビが健康に育つ環境を整えることにした。
その結果
(ふ化場オーナー)
「稚エビの生存率が高まり
 売り上げは過去最高で収入も2倍になりました。」
一時は生産量が90%減ったという養殖業者のデチャさんも
新しい養殖のあり方を模索している。
エサのやりすぎや過密な環境を見直し
水の浄化装置も導入した。
また抗生物質を使うのはやめ
自然に近い方法で育てるようにしたところ
生産量は増加に転じたという。
(養殖業者 デチヤ・バンルーデーさん)
「病気を克服して
 エビ養殖の未来が開かれました。
 世界の人々に安全なエビを食べてもらいたい。」
(東京海洋大学 廣野育生教授)
「私たちは安心安全に食べれるようになるし
 タイで養殖したものは環境に被害を与えずに生産性がよくなり
 お互いにハッピーな養殖産業に向かっていっている。」

バナメイエビなどのエビの卸売価格は
病気がピークだった2013~2014年ごろにはほぼ2倍に高騰した。
日本でも冷凍エビの値段が上がったり
品薄のために外食チェーンで一部のメニューが取りやめになったり
影響が出た。
今現在は価格は下がってきている。
病気の原因が特定されて対策が進んだことが一因である。
ただ別の要因もある。
インドやインドネシアなどの生産量が増えて
新たな輸出国として台頭してきたのである。
従来のエビ輸出国タイの養殖業の回復はまだ一部にとどまっているのが現状である。
病原菌の対策ができて感染の拡大は防げるようになった。
タイ政府も検査を無料で受けられるようにしたり
水質管理の指導をしたりして養殖業者を支援している。
ただ治療薬などの抜本的な解決策はまだ無い。
また病原菌の発生を抑えるために養殖のやり方を変える動きもあるが
そのための大きな設備投資が出来るのは
基礎体力がある一部の業者が中心である。
零細な養殖業者の場合は
一度打撃を受けるとなかなか立ち直ることができないのが現状である。
放置された養殖場が復活する見通しはまだ立っていない。
日本とタイの共同研究は
タイで持続可能な養殖業を育てて安定的な食資源を得るために
日本政府の支援で始まったものである。
エビが健康の育つ環境を整えた結果
生産量が上がって収入までアップしたというのも大切なポイントである。
少しでもたくさん生産しようとしてエビとエサをたくさん入れ
抗生物質も使う方法が
病気の異常なまでのまん延を招いたとも言え
それでは長続きしないことが理解されつつある。
日本で安心安全なエビが食べられるようにするためにも
持続可能な東南アジアでの取り組みを
これからも責任を持って支援していく必要がある。
2014年をピークにタイ国内でもエビが値上がりした。
タイで生産されたエビは9割が輸出用である。
1割がタイ国内で食べられているが
もともとエビは高めの食材なので
一般の人にとってはエビの値上がりはあまり大きな問題とは思われていなかった。
日本でエビがtごろな値段で食べられるのは
タイの人たちの地道な努力のおかげである。




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イルカ“数”が分かる?

2016-09-02 07:15:00 | 報道/ニュース

8月24日 おはよう日本


宙返りしたり
人を持ち上げたり
能力の高さに驚かされるイルカ。
「こんなにできるなんてやっぱり頭いいんですね。
 人間みたい。」
愛知県美浜町にある水族館。
イルカが数の多い・少ないを理解しているか
確かめる実験が行われている。
トレーナーの櫻井夏子さんはイルカに様々な芸を教えるが
難易度によって与える魚の数を変えている。
こうした中でふと疑問がわいた。
(櫻井夏子さん)
「イルカたちが生活している中で
 “数”に対して認識・概念があるのか
 単純に疑問に思っていた。」
そんな櫻井さんの疑問に一緒に取り組もうと手をさしのべた人がいる。
京都大学霊長類県空所の友永雅己教授である。
(京都大学霊長類県空所 友永雅己教授)
「“チンパンジーは数を数えることが出来るのか”
 という研究は以前からあった。」
哺乳類が数をどう理解しているのか研究するなか
イルカのある能力に注目した。
(京都大学霊長類研究所 友永雅己教授)
エコーロケーションを使って数を比べるということができないか。」
イルカが持つ特殊な能力エコーロケーション
おでこの部分から人には聞こえない音 超音波が出る。
跳ね返ってきた超音波をキャッチすることで
エサの魚がどこにいるか
障害物が無いかなど把握することが出来る。
(京都大学霊長類研究所 友永雅己教授)
「哺乳類でそういうのが出来るのはイルカとコウモリぐらいしかいない。
 今回の実験はチャレンジと言うか
 挑戦的と言うか
 すごく面白い。」
イルカは超音波で数の多い・少ないが分かるのか。
実験で使うのは金属のボルトをつけたパネル。
イルカには事前に訓練を行う。
多い方を選んだらエサを与える。
逆に少ない方を選んだらエサを与えない。
こうして数が多い方を選ぶようにしつけていく。
実験に参加するのは2頭のバンドウイルカ。
この日は12歳の♀のティーラである。
パネルに付けるボルトは1~8個。
さらに位置を変えたものも用意した。
(櫻井夏子さん)
「もし1枚だけ使っているとこの形で覚えてしまうので。」
さらにティーラの側には黒い板を取り付け
目では見えないようにした。
いわば“目隠し”の状態にする。
いよいよ実験スタート。
この日は「1と8」「1と4」の区別かつくか確かめる。
まず一番数の差が大きい1と8。
ティーラの側からは見えないが8の前でうなずいた。
今度は先ほどより数の差が小さい1と4。
少し迷ったようだが4の前でうなずいた。
実験を始めて4か月
これまでのところ7割以上の確立で数が大きい方を選んだ。
今後は「7と6」「6と5」など
差が小さい組み合わせで
どういう結果が出るか楽しみだという。
(櫻井夏子さん)
「数字の差が大きいと認識できるということは
 なんとなく言えてくるんじゃないかと思う。
 もしイルカが数の概念を持っているのであれば
 何かしら生活するなかで数というものを数えながら生活していると思う。
 そういったことを今後検証できたらなと思います。」
櫻井さんたちはこの数を認識する能力について
イルカが見通しの悪い水中で魚を追うとき
より数の大きな群れを選ぶために使われているのではないかと考えているということである。



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オールジャパンで立ち向かう

2016-09-01 07:15:00 | 編集手帳

8月22日 編集手帳

 

 単純な娯楽作品かと思えば、
さにあらず。
そんな掘り出し物に出会うのも映画観賞の楽しみだ。
大ヒット中の『シン・ゴジラ』を見て改めて思った。

ある日、
東京湾に巨大生物が現れ、
首都を急襲する。
設定は荒唐無稽だが、
対策に奔走する政治家や官僚の姿は驚くほどリアル。
真の主役はどうやら「人間」らしい。
脚本・総監督は、
アニメ「エヴァンゲリオン」の鬼才、庵野秀明さんだ。

ゴ ジラは大震災のような災厄の象徴なのだろう。
作中の日本人は荒ぶる怪獣に果敢に立ち向かう。
現実の日本も難問を抱えるが、
我々には秘めた力がきっとある。
そんなエールを送られた気がした。

各省庁からかき集められた面々が対策チームを結成するエピソードも心に響く。
日頃冷遇されていた「おたく」や変わり者たちは、
土壇場で思わぬ活躍をみせる。
なるほど、
この社会には、
機会さえ与えられれば実力を発揮できる逸材がまだまだいるはずだ。

安倍政権は「1億総活躍社会」を看板に掲げている。
オールジャパンで日本を立て直す。
それが映画の中だけの話で終わっては悲しい。
今度は政治が希望を与える番だろう。


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