思春期の子どもの気持ちはたいへん不安定です。その不安定な気持ちをそのまま態度や行動に表す子どもと接したとき、親もたいへん動揺します。
たとえば、たいへん極端な場合、子どもは「死ね!このクソばば!」という反抗的な発言をとる場合もあります。
このようなとき、親も大いに動揺し、冷静でいることは難しく、「いったいどうしたらいいの?」と思い悩みます。
このような場合、親本人が子ども時代の自分を思い出してみてはどうでしょうか。いまの子どもの態度に、あなた自身の満たされなかった少年・少女時代が重なってきませんか。
もしオーバーラップしてくるのなら、今の子どもの姿に、過去の満たされなかったあなた自身の姿を見つけ出し、わが子の反抗的な態度が許せなくなっているのではないでしょうか。
そうであるならば、親は自分の過去を客観的にふりかえってみましょう。
たとえば、
「いじめにあって辛かったのに、誰も聞いてくれなかった」、
「父親から暴力をふるわれたが、相談する人がいなかった」など、
悲しかったこと、辛かったことを思い出して、自分が封印していた心の整理をしていきます。
姜尚中さんは、「吾輩は過去である」(=過去こそが自分のすべてである)とおっしゃっています。
歩みだすことも、引き下がることもできず、立ちすくんでいる子ども時代の自分に向き合い、それでも自分は今ここに生きているという自覚にいたったとき、あなたのSTORY(=HISORY)ができあがります。このとき、わが子の思春期の反抗に接する親の態度に変化が生まれてきます。