もうすぐ中間テストです。
とくに1年生にとっては、中学校での初めての大きなテストです。
学年で示す「テストの受け方」を理解して、一生懸命に取り組んでほしいと願っています。
さて、中学生が教師や親によく尋ねることの中に、「なぜ、勉強しないといけないの?」があります。
「何言ってんのよ。高校受験のためにきまってるじゃない。そんなこと考えているひまがあるなら、ひとつでも英語の単語を覚えなさい!」
これが、いちばん多い答え方かもしれません。これで、子どもが「しゃーないな」で、勉強にむかえば、それはそれです。
子どもが勉強するのがイヤで、勉強しなくていい理由をさがして、なんやかんやと聞いているだけなら、正対して答える必要はないでしょう。
「勉強をしたくない」という気持ちを受け止めるだけで、「やらなしょうがないな」という気持ちになり、勉強に戻る子がほとんどです。
しかし、子どもがなぜ勉強をするのかを真剣に考えて、勉強をする意味を問うているときは、話は別です。
たとえば、数学の因数分解をやって、どんな役にたつの?」とか「化学式を知ったからといって、生きていくのに役立つの?」。
このように、勉強の意味をさがして聞いているときには、勉強する意味を、私たち大人は言えなければなりません。
ただし、答えは一様ではなく、大人がそれぞれ考えていることを伝えるのでいいと私は思います。
私が思う勉強する意味は、一つの物事、現象や結果、できごとなどを広く、深く、状況に応じて見ることにより考える力を高めるため、ということです。
これを置きかえると、鳥の眼、虫の眼、魚の眼で物事を見るということです。
鳥は高い所からものを見るので、広く見ることができます。
虫は近づいてよくものを見るので、深く見ることができます。
魚は水の流れにのって見るので、時代の流れや状況に応じてものを見ることができます。
たしかに、勉強をしなくても生きていけます。生活していけます。しかし、考えることに関しては勉強をしていないと広がり、深まり、状況に応じるには、たいへん窮屈になってしまいます。
ですから、勉強によりたくさんの知識を身につけ、それらの知識を生かしていけるなら、生き方や生活の仕方を豊かにしていけると、私は思います。
実際、私自身も、テレビとかで大河ドラマを見ていると、中学生のとき習った歴史が鮮やかに蘇り、ドラマの内容と学習で得た知識がつながりだし、ドラマをさらに楽しめると実感します。
保護者のみなさんも、中学生が勉強する意味を、自分なりにもっておいてください。