これは言わないでおこう とか
ここはあわせてうなずいておく とか
友だちっていっても ビミューだよね
かけひきしたり 使い分けたりさ
幼稚園からずっといっしょの おさななじみのあいつとは
好きなバンドも 服もちがうから
最近は話があわないけど
いっしょにいて それぞれ好きなことしてても
話さなくても 平気なんだ
そういうのは 安心するよ
あの子は 女どうしではキツイこと言って いじわるなのに
男子の前では 上目づかいしてかわいこぶるから
じつはけっこうきらいだった
でも あたしが好きな人とサヨナラした日に
いっしょに泣いてくれた
やさしいところも あるんだよ
いつも かならず信じられたり
どんなことがあっても 仲よくできる友だちってのは
まだ 見つからないけど
部分的にほっとできる友だちと
部分的につきあってるんだ
ちょっとさみしいけど
そういう
友だちがいるって 悪くないよ
出典:『中学生の巻 みんなのノート』(金子由美子・橋本早苗著、大槻書店発行)
この詩は、ある公立中学校の保健室を訪ねてきた中学生が「みんなのノート」に書き残した詩の一つです。
友だちグループの中で、「空気」を読むとか、相手に合わせるとか、自分だけが違ったことをしないとか、いろいろと気を遣って、いまの中学生は学校生活を送っていることが多いようです。
この詩を書いた中学生は、そのような気を遣わなければならない関係でも、友だちがいてくれるとありがたいと思っています。
けっこう気を遣いあう友達関係を認めたうえで、さらに、この人といっしょにいればほっとする、安心することができる、どんなときにも仲よくできる友達を見つけることもできるのが中学校の3年間です。心からうちとけることができる友だちをつくるのが中学時代かもしれません。