先日の中学校1年生の数学授業参観で、あらためて感じたことがあります。
ミカンとリンゴを合わせて15個買いました。そのうちミカンは5個買いました。リンゴは何個買ったでしょうか。
算数では15−5=10で10個です。
となります。
数学では、ミカンをa個買えば、リンゴは(15−a)個買いました。
と考えます。
文字が入ってくると、この段階で「わからない」となる子がいるのがふつうです。
なおかつ、ミカン1個は100円で、リンゴ1個は200円で、全部で2500円はらいました。ミカンとリンゴはそれぞれ何個ずつ買いましたか。
となると、100a+200(15-a)=2500 という方程式を解きます。
これを解いて、a=5なのでミカン5個、リンゴ10個となります。
端的に言えば、算数は総じて具体的思考であり、数学は抽象的思考が必要になります。(小学校4年生ごろから、抽象的思考の学習は少しずつ始まってきます。)
この具体的思考から抽象的思考に本格的に移行する段階で、難しさを感じて「わからない」となる子が出てきます。
いわば、小から中へ移るときの思考のハードルのようなものです。
実際、先日参観した中1の数学の授業では、このミカンとリンゴの問題を方程式を使って解く段階で、「わからない」とつぶやいていた生徒がいました。
多くの中学校の数学科教員は、ここをうまくくぐらせることに心をくだき、授業をしています。
すると今度は、方程式の便利さに気がつき数学的な知的好奇心を高める子が出てきます。