全国の小中学校、高校は、年に一度文部科学省の「問題行動調査」を報告します。
先日、2018年度の調査結果が公表されました。
それによると、児童生徒による暴力件数は、2017年度と比較して15%増え、過去最多となりました。
その増加分は小学校での暴力件数です。(中学、高校では2010年頃から減りつづけています。)
小学校での暴力件数は、前年度と比較して、なんと29%も増え、暴力件数全体の約半分を占めています。
小学校の暴力については、「児童間暴力」.がいちばん多く、次に「対教師暴力」、その次に「器物破損」となっています。
加害児童は低学年の増え方がとりわけ顕著です。小1でも、小2でも、それぞれ40%以上増えました。
私が初任者として箕面市の中学校に着任した頃は、全国的に校内暴力が吹き荒れていた頃で、中学生の「荒れ」が社会的な問題になっていました。
そして30年以上が経過した今、中学の暴力行為は激減しており、まさに隔世の感があります。
いわゆる「やんちゃな子」や「ごんたの子」が、いまや皆無になったと言っていいほどです。
その一方で、小学校低学年児童の暴力が増えているのです。
今までなら、「口げんか」ですんでいたことでも、悪口を言われた、ドッヂボールで負けたなどのことで、暴力に発展することがあるのが現状です。
子どもから言葉が出てこず、相手に手を出すなどして、自分の感情を表すケースが多いようです。
暴力行為をする子どもを指導するには、その子の話をおとなが時間をかけ、じっくりと話を聴く必要があります。
そして、ものごとや人間関係のもめごとは、言葉で話し合って解決することを、ていねいに教えていかなければなりません。