思春期の子どもに現れる特徴の一つに、反抗期があるということがあります。
しかし、最近では反抗期のない中学生が増えているように感じることの多いのが、私の実感です。
その分、「仲よし親子」が増えているように思います。
反抗期というものは、大人になりたいと思う、あるいは、自分はもう大人だと思い、自由を求める子どもの前に、壁のように立ちはだかる大人という存在への反抗です。
反抗期のないことを、子育ての成功だと勘違いする現代の風潮もあります。
でも、反抗期がないということは、自分の自由を阻む壁にぶつからず大人になるということなのです。
対人関係で人は必ず壁にぶつかります。反抗期がなく思春期を過ごしたなら、将来対処できなくなる心配があります。
人間関係のトラブルに関して、「あの人が悪いから」とすぐに他者のせいにすることになるかもしれません。
反抗期があった場合でも、自由を求めてきた思春期の中学生は、大人になってから、自由のたいへんさを知ることが多いのです。
ましてや、反抗期のないまま大人になった人は、自由な人生と引き換えになる、自分が引き受けなければならない義務や責任を自覚できず、困ってしまうことになりがちです。
中学生のすさまじい反抗を吐露される親御さんに出会いましたが、考え方によっては、そういう子ほど自立が早く、義務や責任を引き受け、自由な人生を送る人になりやすいと言えます。