箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

特性を長所にする

2019年10月13日 17時20分00秒 | 教育・子育てあれこれ










生徒にもいろいろな特性の子がいます。

あまり細かいことは気にせず、なんでも前向きに考える子がいます。

しかし、他人からの視線を気にして、自分が周りからどう思われているかを気にしすぎる生徒もいます。

とくに今の時代は、まわりの雰囲気を敏感に感じ取り、それに応じた対応をとることに価値を置く傾向があります。

たとえば、「空気を読む」ことを大切にしたり、「空気を読めない」ことを「KY」と揶揄する状況がある中では、敏感な子にとってはクラスにいることが大きな苦痛になることもあります。

授業中に顔を上げずにノートをとらない生徒に、先生が注意をします。

しかし、その子の本音はクラスメートの視線が気になり、顔を上げることができないという点にあります。

教科担任が、「それは、あなたの考えすぎよ。自意識が強すぎるよ」と言って真剣に受け止めてくれない場合もあるでしょう。

こうなると、その子はだんだん教室にいづらくなります。保健室に言ったり、遅れて登校してきたりすることにもなります。

その生徒から話を聞くと、「教室が怖い」、「頭では教室に行きたいと思うけど、教室が近づいてくると、足が止まってしまう」。

「教室に入っても、まわりの視線が気になり、下ばかり向いている」

「廊下ですれちがう学年の友だちの視線も怖い」

その視線には、「この子何をしているんだろう」「変わった子だ」と思われているのでないかというネガティブな感情が頭から離れない。

自分を変えようと思うけど、変えられない。誰かから言われた一言に悩んだり、自分が他人からどう思われているかが気になり、毎日疲れてしまう。

そんな生徒には、他の生徒より情報をキャッチするのが敏感で、その敏感な点は、鈍感でないというあなたの強みであるという点を伝え、気になった視線は安全だと気づいてくれるような機会をもつこと。

それにより、まわりの視線が気にならなくなることも実際にあるのです。

生徒の特性は短所だと感じられやすいですが、かえって長所だと捉えることができるよう、周りの大人は配慮していくべきでしょう。

(本文の内容と写真は関係ありません。)