いまは三世代で暮らしている家庭は減ってしまいました。
しかし、子育てという点では、子どもがおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に暮らすことには、意味があります。
祖父、祖母と同じ屋根の下で暮らすのは、子どもの成長にとって大きな効果があると、私は考えています。
基本的におじいちゃんやおばあちゃんは孫をかわいがり、まず孫に怒るということがありません。
「お腹が空いた」と言えば、お菓子を出してきて「これを食べなさい」とさしだしてくれます。お小遣いをくれることもあります。
うちの家でもそうでした。
両親にしてみれば、「甘やかして」「ご飯前なのに、食べさせて」「厳しく育てているのだから、教育上よくない」・・・。
不満が募る場合もあるかもしれません。
親は、「危ないからダメ」「虫歯になるわよ」「ご飯前だからお菓子はダメ」というようにとかく子どもに規制をかけます。
それはそれで、わが子のことを思ってしつけようとするのだから、必要なことです。
でも、そんな親が「甘やかさないでくださいよ」と言って、ある程度は祖父・祖母はきいてくれても、父母のように、孫に厳しく接することは、基本的には期待できません。
ただ、子どもがしたいことを、「いいよ、いいよ」ときいてくれる人がいることを経験することは、子どもにとってはたいへん重要なことです。.
親であっても、子どものしたいことをかなえてやることは必要です。
どうしてもほしいなら、一つだけ買ってあげるとか子どもの希望をかなえることはできます。
赤ちゃんが泣いたら、サッとかけより、なぜ泣いているかわからなくても、赤ちゃんが喜ぶことで、親も喜ぶことができる。
こんな体験をもつ親御さんも多いでしょう。
このことで、赤ちゃんは、人とかかわることの楽しさと喜びを感じていきます。
人は自分の存在意義と生きる価値を人間関係の中に見出すのです。
幼いときに、なんでも受け入れてくれて、願いをきいてくれる人、希望することをさせてくれる人がいたという経験を積むことが大切だということです。
このことは、子どもが中学生になってから、なんでもしたいことをさせるのとはわけが違うのです。