4月は、中学生にとって、新しい担任や新しいクラスに出会うことになります。
新クラスが発表されると、クラス発表の場所は、大騒ぎになります。(今年は休校中の「さみだれ式登校」で、静かな反響で過ぎたようです。)
うれしかったり、悲しかったりと、生徒の思いは様々で、複雑です。
そんな生徒のなかには、旧担任のところへやってきて、「先生のクラスのほうがよかった」と、相談や訴えにくる子がいます。
このとき、旧担任にとっては、うれしさは半分です。残りの半分は、心配な気持ちです。
新しい担任や友だちになじめなければ、その生徒は楽しく充実した学校生活を送ることができません。
そのため、旧担任は、その生徒が前向きに進めるよう背中を押し、新担任につなげるように動くものです。
旧クラスの1年間でできた友だちとのつながりは強く、クラス替えをしてもずっとつながっていたいと思うことが多いようです。
同様に、1年間かかわってくれた、よい印象をもつ学級担任には、生徒はずっとその先生のクラスにいたいと思うものです。
でも、いつまでも旧担任にしがみつき、新しいクラスや先生になじめない生徒をそのままにしておくことはできません。
旧担任がすることは、二つです。
まずは、その生徒の気持ちや心情によく耳を傾けることです。「そんなこと言っていてはダメだよ」と、簡単に話を打ち切らないことです。
新しい担任になじめないと思っていたら、今度は頼りにしていた旧担任にも簡単にあしらわれたと思い、相談にも来れなくなってしまいます。
その生徒が前向きに歩んでいけるように、またどんな助けが必要なのかを考えるためにも、まずしっかりと話を聴くことです。
次に、新担任と連絡をちゃんととりあうことです。
その生徒にとって、いままであまりかかわりをもたなかった先生が担任で、その人のことがよくわからない場合、近づきにくく、慣れた旧担任を頼ってくるのです。
そこで、その生徒が何を必要としているか、何にとまどっているのかを、新担任に伝えます。その生徒の性格や気持ちを新担任が知ることにより、その生徒にアプローチできるようになります。
ですから、生徒がすべきことは、できるだけなじもうと努めることであり、するべきことのほとんどは教師側にあります。
教員は、4月・5月は、生徒が新しい人間関係や環境になじめるように取り組む正念場です。
教師はその覚悟をもって、新年度をスタートしてほしいと願います。
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