今、「学び直し」をする人が増えています。
ことわっておきますがわたしは、学び直しと言う言葉にいい印象はもっていません。
学生時代に学習したことが不十分なので学び直すというイメージをもつからです。
大阪府立高校で普通科から学科を、多部制単位制「クリエイティブスクール」と改編した高校がありました。
一定の受験者を集めることができ、必要な定員を確保できいました。
ところが、10年ほど前に大阪府教育委員会の方針により、クリエイティブスクールを「エンパワメントスクール」と改称しました。
そのエンパワメントスクールのキャッチフレーズを小中9年間の学び直しとして打ちだしましたが、それ以来受験者が定員割れを毎年起こす学校になりました。
これは、新しく高校生活をスタートしようという時期に、「あなたは学び直しだ」と言われているようで、「クリエイティブ=創造.新しいものを生み出す」とは対象的に、ネガティブなイメージを連想するからです。
その点で、今の社会人のリカレント教育や生涯学習を「学び直し」とネーミングするのは不適切だと、わたしは考えるのです。
自分を豊かにするために学び続けるのが、いまのリカレント学習の本質です。
名前や名称は、その体を表すので、どう呼ぶかはけっこう大切です。
今のリカレント学習は、「もう一度学びたい。知識や教養を深めたい」という知的欲求にかられて、大学や大学院などで学ぶ機会を得るというものです。学び直しではないのです。
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「いみじくも言いました。
すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する。
すなわち、学ぶことによって新しい知識や技能を得たいと思うことは、人間がもつ自然な本能なのです。
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