「保健所に電話してもまったくつながらない! こちらはいのちがかかっているのに!」
こんな不満の声が、感染ピーク時には人びとのなかからあがっていました。
さて、中学校の学習に保健師さんを招き、ゲストティチャートして中学生に保健指導をしてもらうことがあります。
授業のテーマはさまざまで、あるときは小中学生の自殺を防止する話であり、相談のすすめであったり、健康増進のための講話であったり、赤ちゃん人形を持参して人の誕生からいのちの教育を実践してもらったり、いろいろです。
また、以前には、PTAで母親を対象に乳がんの早期発見についてレクチャーをしてもらったこともあります。
また、歯科関係で、生徒へのフッ素塗布の業務を学校でしてもらったりもしました。
ただ、世間一般では保健師という仕事について、その業務でどんなことをしているかを知らない人が多いように思われます。
保健師は、病気を予防するための、また健康を維持のための保健指導を行う専門職です。
全国には約5万3000人ほどいて、自治体設置の保健所等に勤務している人が多いのです。
しかし、新型コロナウイルス関連で一部報道されましたが、近年保健所の数は減ってきています。
そのため保健師の多忙化がすすむ状況のなかで、新型コロナウイルス感染症が広がったのでした。
患者からのPCR検査についての電話相談が入ります。感染者が出たら患者を医療機関につなぎます。また濃厚接触者を特定し、聞き取りをする疫学調査などの業務が入ってきます。
当然業務が逼迫し、感染のピーク時には1ヶ月に80時間超え(過労死ライン)で残業をした人が多くいました。
また、陽性と診断された人への対応は、陽性者の意向がさまざまであり、それに根気よく向き合わなければならなかったのです。
これ以上仕事を続ければつぶれてしまうという危機感をみずから感じながらも、患者の命の危機感を感じると、やらざるをえないという状況に追い込まれたのが保健師さんです。
「PCR検査で陽性だったのに、保健所に電話してもつながらない。向こうからの連絡を待っているが、まったく連絡がない」。
こんな声をよく聞きました。
このような不満が渦巻くコロナ渦でしたが、保健師さんの置かれた状況を考えれば、批判ばかりするのは気の毒というものです。
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