
昨年は、新型コロナウイルス感染症が、学校でのICT整備、デジタル技術の遅れを明らかにしました。
学校が休校の間、授業の動画配信やオンライン授業をすぐに実施できた自治体はわずかでした。
ただし、ITやデジタル技術が遅れているのは学校でだけでなく、企業も同様です。
その原因の一つに技術者や研究者を大切にしない企業の慣習があるのでしょう。
日本の企業は、とくに生産性を上げ、効率化を重視する傾向が強く、できるだけ人びとを減らそうとします。
そのため、優秀な技術を持った人は中国や韓国の企業から声がかかり、日本国外へ出てしまいます。
また、大学や研究所でも外国の研究所に高給で採用される若手研究者が多いといわれます。
このように、貴重な人材の流出が現状のデジタル技術の遅れをもたらしたと考えられます。
さらに企業だけでなく、国と地方公共団体の行政手続きもシステムをデジタル化して、利便性を高める必要があるでしょう。
さて、ここからは教育の話題です。
いま、「GIGA スクール構想」で、学校のICT 整備とデジタル化が進み、児童生徒一人一台のタブレットやICT機器の導入が進んでいます。
そして、児童生徒がもつ教科書をデジタル化した「デジタル教科書」は、教材として活用が進んでいます。
さて、デジタル化は日本全体の課題であるのはまちがないですが、こと教科書のデジタル化となると話は別です。
いくらデジタル化が学校で進もうとも、紙の教科書による学習が、これからも学習の基本に据えられるべきです。
動画や音声を活用するのは有効ですが、紙の教科書はなくなるものではありません。
本を読み、文章を書くことで、人は知識や思考力を身につけていきます。
この点は、教育の根幹をなすものです。人間として成長を促すものは、デジタルではなく、紙の教科書であることをおさえておきたいのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます