箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

増加した自主的に学校を休む児童生徒

2021年10月17日 07時09分00秒 | 教育・子育てあれこれ


新型コロナウイルスで感染者が出た場合、学校は臨時休校となります。

いわゆる第5波では、若い年齢の児童生徒にも感染が拡大したため、休校になった学校もけっこうありました。

それとは別に、第5波以前からもでしたが、感染する不安から、「自主的に」学校(小学校、中学校、高校)を欠席した(登校を控えた)児童生徒が全国にけっこういることがわかりました。

これは、文科省の長期欠席者の調査の一環として、感染がこわいからという理由での欠席の人数を調べた結果からわかりました。

その数は、小学生が約1万4000人、中学生が約6600人、高校生が約9300人にのぼり、全体でおよそ3万人になりました。

制度としては、感染不安により登校が不安だと保護者が申し出た場合、校長が「合理的な理由である」と判断すれば、「欠席」扱いにはならず、「出席停止」扱いになり、欠席とはカウントされないようになっています。

ただその場合、学校は家庭での学習機会を保障しなければなりません。

その対応は自治体によりちがいがありました。

オンラインを活用して、授業動画を配信したり、配信と定期的な対面授業を組み合わせた対策をとっている自治体がありました。

また朝のホームルームと休み時間はオンラインで教室と家庭がつながっていましたが、授業の同時配信がうまくいかなかったという自治体もありました。

学習の課題を提供したり、一人1台のタブレットを効果的に活用するための条件整備が必要になるのです。
また、一方通行のオンライン授業だけでなく、双方向のやりとりができる工夫も大切です。

ただし、新型コロナウイルスを怖がることは、他人を怖がったり、不安に思っていることであり、不登校の気持ちに通じる面があることを、教育関係者は深刻に受け止める必要があるのではないかと思います。

ちなみに、新型コロナウイルスとは無関係で、病気、経済的理由などの原因とは別に『不登校』になっている小中学生は約19万6000人にのぼり、過去最高になっています。

基本的に、学校は人とのつながりを求めて、児童生徒がやってくる場所です。感染不安で約3万人の児童生徒が欠席しているという事態は、ゆゆしきことであると思います。





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