箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

過去は過去のこと

2022年02月11日 08時04分00秒 | 教育・子育てあれこれ


わたしは、何度か卒業する中学生に、

「過去がすべてである。卒業という節目では、よく未来や将来の夢に向かって、といいますが、みなさんは過去こそを大事にしてください」

と言ってきました。

その意図は、過去にこそ意味があるという考えに基づいています。

未来は今からはじまる、まだゼロの状態である。

中学3年間で学習や学校行事、部活動などにいそしんできた、友だちとのたわいもない会話に胸が弾んだ。悩んだ日もあった、

学校に来にくい日があった。苦しんだ日もあった、でもその3年間をくぐってきて、いま卒業の機会を迎えている。それらすべてのこと(過去)に意味がある。

その体験は人生の宝です。

このような根拠により、過去にこそ意味があると教えてきたのです。

その考えは、今でも変わりません。もし卒業する中学生がいるなら、同じことを語るでしょう。

ただし、過去を大事にすることと、過去に執着することはちがいます。

たとえば、結果にこだわり、
「あのときに、ああすればよかった」
「あの子に『好きだ』と言えばよかった」
「あのときに決勝のゴールをきめていたら」
などこだわりをもって過ごすと、それは自分で悩みを背負うことになります。

そのような悩みからは、何も残りません。

やるだけやったなら、過去を捨てて、それこそ未来に向かって羽ばたくことができます。

これから飛び立とうとするハトが、「いや、地面にまだ餌が落ちているかも」と思っていたら、大空で羽ばたくことはできません。

人はやるだけのことをやっていないから、いまに満足できず、過去に執着してしまうのです。


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