私は子どもの頃、父に連れて行ってもらい、当時難波にあった大阪球場へ南海ホークスの試合を見ました。
すり鉢のような狭い球場で、いまは亡き野村克也選手がキャッチャーで4番打者という現役でした。
その後野村さんは現役をしりぞき、以前ある番組で、野村さんが解説する場面がありました。
バッターは原辰徳、ピッチャーはヤクルトの荒木投手という対戦場面の解説でした。
実況のアナウンサーが、「原選手はいま好調なので、投手は投げづらいでしょう」と言いました。
すると野村さんは「バッターは好調なときほど、高めにボール球を投げると手を出して、フライを打ち上げるんだ」と解説しました。
果たして、荒木投手はその直後に高めにボールを投げ、原選手はフライを打ち上げ、凡打となりました。
スポ根ものが全盛で、気合いや精神論が主流を占めていたスポーツ界に、「知的解説」の大切さを、野村さんは持ち込んだのでした。
中学生の部活も、昔は「水は飲むな」と言われ、根性や精神論が幅をきかせていた時代がありました。
でも、今や熱中症予防で、スポーツをするとき水分をとるように、時代も大きくかわりました。
スポーツに科学的、知的見識の大切さを伝えたという意味で、野村克也さんという存在の大きさを、あらためて思います。
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