ひなまつりでは、ひしもちを飾ります。
でも、わたしの子どもの頃、家ではひしもちを手作りで作っていました。
白いおもちと家の近くで積みとったヨモギで色づけした緑のもちと紅エビか赤色の色粉(いろこ)で色づけした赤いもちの三段がさねのひしもちでした。
地方によっては、赤色のもちはクチナシの実をまぜて赤色に着色する場合もあるそうです。
白いもちは子孫繁栄と長寿を願います。
緑のもちは厄除けで、災いが起きないことを願います。
赤のもちは魔除けの意味をもっています。
さらに、ほかの解釈もあり、白は雪、緑は新緑、赤は桃の花という春の景色を表すので、3色になっているという教えは、わたしの祖母から聞きました。
昔は、自然の素材を使い、ひしもちを作っていましたが、時代の流れとともに家では作らなくなりました。
しかし、この子どもの頃の体験や思い出は、いまでも自分の中に息づいていると思っています。
3色の重ね方にも工夫があり、雪の中から新緑の新芽が吹き出して、赤色の桃の花が咲いている様子を表すため、上から赤色→緑色→白色と重ねているのです。
でも、最近の市販のひしもちは上から赤色→白色→緑色と重ねている場合が多いようです。
それは、雪の下では草木が芽をだしており、地上では赤色梅の花が咲いている景色をイメージしています。
また、間には白いをはさみ込む方が、ひしもち全体の色が映えるのかもしれません。
忘れたくはない日本の伝統文化の大切さを感じます。
こういう話を中学生にすれば、「先生の昔のころはそうだったのですね」と言われそうです。
でも、今を生きている中学生は先人の積み上げた過去とのつながりで現在があることをわかってほしいです。
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