箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

観客の力は大きい

2020年12月09日 08時17分00秒 | 教育・子育てあれこれ


今年の11月末にフィギュアスケートのグランプリシリーズの最終戦NHK杯が大阪府で行われました。

この大会は観客ありで行われました。(収容人員の50%)。

もちろん観客は全員マスクをつけての観戦で、ていねいに消毒されたイスは1席ずつ空けてすわり、拍手で応援するのが基本でした。

演技のあと、花束やものを投げ込む行為も禁止でした。

多くの選手は、「お客さんに観てもらい、滑ることができてよかった」という感想をもちました。

それまでの大会は、無観客で行われました。選手に聞こえるのは関係者のまばらな拍手だけでした。

それが有観客になると・・・

坂本花織選手のコメント
「ひさしぶりのお客さんの歓声がうれしくて、やっと試合だなという感じがしました。お客さんが入ったほうが気持ちが上がります」


本田真凜選手のコメント
「スケートが好きだなと思うところは、お客さんの前で滑ることです。正直、無観客の試合は楽しくなかったです」


やはり、選手は観客から滑ることの喜びやモチベ―ションをもらっているのです。


採点をされる競技は、「観られる」ということが抜きにできないということなのかもしれません。

とくにフィギュアスケートの場合は、選手は平素から観られることを意識して練習をしているのでしょう。

だから、有観客で観られている方が、高いパフォーマンスを発揮できるというのは納得がいきます。

また、アスリートは、演技やプレーが盛り上がり、のぼりつめ無我の状態(ゾーン)に入り、実力または実力以上の力を出すこともあります。

そのゾーンをつくり出すのに、観客も役割を担っていると言われます。


わたしも、過去に中学生に以下の話をしたことがあります。
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第43回体育祭 開会式校長あいさつ

「限界突破のための応援を」  2015年10月


今から1年半ほど前の2014年3月のことです。

埼玉スタジアムでは、サッカーJ1リーグの浦和レッズ対サガン鳥栖戦が行われていました。

そのときサポーターが「JAPANESE ONLY」の垂れ幕を掲げました。その幕が差別的であるということで、浦和レッズは無観客試合という処分を受けました。

スタジアムに来てくれたファンに、エキサイティングな試合をして、勝利をプレゼントする。そのために最大限の努力をするのが、プロのスポーツ選手です。

では、みなさんに問います。サポーターの声援は、スポーツ選手にどんな力を与えると思いますか。
(間) 
では、実際に試合をした選手からのコメントを紹介します。

西川選手は「サポーターの声はありがたいと痛感した」と言いました。

原口選手は「いつもどおりやりたかったが、気持ちの部分で難しかった。やっぱりサポーターの力で突き動かされていることが多いと感じた」

槙野選手は「選手は試合中に限界を超えるラインを引きあげながら戦っている。サポーターの声援によって一歩前に踏み出せるが、それができなかった」

選手は、自分の力を最大限出しながら試合をしています。しかし、それぞれに体力の限界や能力の限界があります。

このとき、サポーターの声援があれば限界を突破してもう少し力を出すことができるのです。

これは部活をやってきている人にも納得がいくのでないですか。

大勢の人による拍手や声援は、たしかに選手を勇気づけます。

さて、三中生のことですから、今日の体育祭でみなさんは手を抜いたりせず、一生懸命に競技や種目に挑んでいくと思います。

ですから、その一生懸命をさらに一歩踏み出すためには、クラスの仲間からの応援が大切なのです。

出場している人を元気づけ、励まし、笑顔に変え、「もうダメ」という限界ラインを突き動かすような応援を、今日一日してください。

これを私は「限界突破のための応援」と名付けます。今日一日、限界突破のための応援をみなさんに期待しています。

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新型コロナウイルス感染防止のために、オンライン配信でスポーツや音楽、演劇などを観るのが増えていますが、やはりファンやサポーターあってこその活動であることを、あらためて思います。


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