箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「聞いてくれた」が大切

2020年10月11日 07時12分00秒 | 教育・子育てあれこれ


お医者さんには、患者さんが言いたいことを聞きとる力が求められます。

お医者さんが、かりに患者さんにとって大切で、ためになることを伝えるよりも、患者さんが何を言いたいのかを聞く方がはるかに難しいのです。

たとえば、血糖値を下げることがどれほど大切かを科学的に医者さんが説明しようとしても、患者さんの家庭での食習慣の改善が難しいという家族との人間関係があるとき、患者さんはそれをわかってほしいという思いで一杯です。

そして、患者さんの言葉を聞かない医師が、「ごはんの量を半分にしなさい」といくら言ったところで、患者さんには届かないのです。

これは学校の先生と児童生徒の関係でも同じです。また、親子関係でも同じです。

つまり、人間関係というのは、そういうものです。

ですから、教師は子どもが話しかけてきたら、他のことをしないで、ゆっくりと聞いてください。

親は子どもが話しかけてきたら、忙しくても、ゆっくり聞いてください。

親子の場合、長い時間でなくてもかまいません。家事をしながらでもかまいません。(ただし教師は別の作業をしながら聞いてはダメです。)

イライラせずに、穏やかに、うなずいて聞いてください。

なお、聞くというのは、相手の言いたいことや考え、主張などに耳を傾けるという意味ですが、「尋ねる」、「問う」ことも含みます。

「今度の日曜日、部活が休みなら、どこに行きたい?」「今夜の夕食は何がいい?」ということも「聞く」ことです。

これら一連の「聞く」ということができたとき、子どもは「聞いてもらえた」という気持ちになります。

希望通りにならなくても、「聞いてもらえた」という経験を積み重ねていくうちに、教師や親の言葉は、子どもに届くようになります。


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