沖縄への修学旅行では、各中学校・高校は、観光や自然、文化を活動の行程に入れる以外に、平和学習を行うのがふつうです。
平和学習では沖縄戦の実相に触れることが大切で、その際お世話になるのが現地の「平和ガイド」のボランティアの人たちです。
沖縄戦の戦跡を案内して、生徒に沖縄戦の様子を説明してくれます。
このガイドさんは個人で活動されている方もいますが、多くは団体に所属して、学校はその団体に依頼して、当日ボランティアガイドを手配してくれます。
ところが、ここ2年間ほどのコロナ災禍で、修学旅行のキャンセルが相次ぎ、学校からの依頼がなく、いま苦境に立たされています。
事実、大阪府箕面市の中学校8校は、すべて修学旅行の行き先を沖縄から長崎などに変更しました。
ある平和ガイド団体では、2019年度には1000校を越える依頼を受けていました。
しかし、2020年度には激減して70校たらずになりました。
さらに、2021年度には緊急事態宣言が4ヶ月間に及び、秋季まではたった1校になりました。
これでは団体を運営していくのもむずかしくなります。
新型コロナウイルスの第5波が過ぎ、やっと平和ガイドの予約が入り始めたころに、また今回の沖縄でのオミクロン株の蔓延で、2022年が明けるとまたキャンセルが相次いでいます。
さらに、沖縄の主要産業は観光であり、平和ガイドだけでなく、ざまざまな面に影響が出ています。
民泊を受け入れる民家さんも訪れる生徒がおらず、「開店休業」状態です。
また、修学旅行生がおみやげを買って帰るこおもなくなり、那覇の国際通りも経済的な打撃を少なからず受けていると想像できます。
かなり深刻な状況が、いま沖縄では続いています。
根本的な解決には、新型コロナウイルス感染が早期に終息することを待望するところです。