亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site
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暴風雨…
ベランダを台風仕様にした。
昨年の台風6号の教訓を活かす。
ゴンゴンという音はひっきりなしで、
ド ド ド ド …と
時折大きく、地響きのように風が唸り、
窓にぶつかる。
このゴンゴンは
洗濯竿が、くくりつけられたベランダの桟に当たる音。
今日は、午前中から準備を始める。
ラティスの上の鉢は
全て降ろして土嚢をのせる。
土嚢は最低3個は必要だ。
私は、古い土をビニールに入れて作っておく。
(運ぶときは腰に注意だ!)
薔薇は自分のトゲで自分の葉を傷つけ、
ぼろぼろにしてしまう。
したくもない自傷行為は
ビジュアル的にも悲劇だから
絶対にさせないよう部屋へ入れる。
でも何より辛いのは
音にあおられて
外の様子が気になり
見に行きたくなるのを堪えること。
暴風域に入ったら、
どんな音がしようとも
決して外に出てはならない。
「後ろにいる妻の姿を見てはいけない」という
ギリシャ神話があったと思う*。
でも、結局は見てしまって
妻とは別れ別れになる。
禁止の言葉とそれを守れない人の心理
そんな神話や昔話は数限りなくあるのだが
この恐ろしい風の音を聞いていると
ふと、それらを思い出す。
無力で何もできないにもかかわらず、
外の様子が気になって
ついつい扉を開け、事故にあう。
そこには何か誘惑めいたものが渦巻く
あるいは、危険と誘惑を勘違いする
あるいは、禁止の言葉の中に誘惑が潜んでいる
Jean-Baptiste-Camille Corot - Orphée
* http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%82%A6%E3%82%B9