ある日
京浜東北線にて。
知らない人の怒濤トークにつきあう。
ものすごく大きくて、太った男の人だ。
私の隣に座ったその人は、
テンガロンハットをかぶり、
荷物は持っていない。
レジ袋から熊ベル*を取り出して
チリンチリン鳴らしていた。
そして、ふいに私に話しかけてきたのだ。
私は知らない人によく話しかけられるのだが、
まあ、いいか…
いいことにしよう。
それはギリギリ下ネタだった。
ひとしきり話したあと、
彼は私に
「僕はあなたの時間を奪った。だからあなたにはいいことがある」と言い、
そして降り際、振り向きざま 私に
「グッドラック」
と言った。
家に帰って主人にその話をすると
主人は
「君のお父さんが、そのようなものに姿を変えて…」
と、これまた不思議なことを言い、
別の友人は
「その人は亀井さんにしか見えていなかったんじゃない?」
…って、そんなはずはないでしょう?
とりあえず彼の
その愛すべき「グッドラック」を
ひろめてみようと思う。
久しぶりにHPを更新
2010~2011春までに発表した作品をアップしました。
ご興味のある方はどうぞいらしてください。
亀井三千代HP http://www.xax.bb4u.ne.jp/~michiyo/
*熊ベル 登山者が熊よけに持ち歩くベル。ザックなどに付けて鳴らしながら登る。