「三屋清左衛門残日禄」藤沢周平

隠居した元用人。

理想的な隠居生活。息子夫婦ともうまくいき、他の子供も他家に嫁いでいる。

心身を鍛えようと、釣りをし、武道を再開し、勉強も再開しようと考えている。

しかし、彼のところへ相談事やお願い事がやってくる。隠居した身でも必要とされることは彼自身嬉しい。昔馴染みや昔の出来事との再会や向き合い、悔恨や悲哀。

また、うまくいっている息子夫婦への多少の気遣いから、亡くなった妻へならもう少しわがままが言えるのに、と思ったりもする。

やがては、お家の大事に関わるようになり・・・。

藤沢作品を読んでいると背筋をピンと伸ばしたくなるような清々しい気持ちになる。最近、他の作品を読むのを断念したので、久々に藤沢作品を楽しめてよかったです。