4月25日
昨日は生協に行く。「米も麦もない」から、買い出しにというのが表向きの理由だが本命は桜餅。クレープ状に焼いた薄皮で餡を挟むように包んでいるのも良いけど、やっぱり好きなのは餡を桜色のもち米で包み込んだもの。
ネットで調べたら桜餅は関東で生まれたものだという。関東はクレープ状の薄皮で挟むようにしてあり、関西はもち米で全体を包んでいる。おはぎがひっくり返ったみたいなものだ。色と塩漬けの桜の葉が同じなだけで、形も製法も全く違ったものになっているのだそうだ。
関東は長命寺餅と言い、関西は道明寺餅という。名前まで何だかややこしい。なのに、長命寺餅は寺の名前がそのまま餅の名になっているわけだが、道明寺は道明寺粉を使っているからで、道明寺とは関係ないらしい。
子供の頃から道明寺餅の方しか食べてこなかったのだが、この十年余り田舎に帰っていて、田舎には長命寺餅しかなかったのに驚いた。聞くとそれが当たり前だという。
今、発祥が分かったと同時に関西(というより西日本)では鳥取と島根だけが長命寺餅なのだということも分かった。出雲大社詣でが深くかかわっているらしいとあったけれど、詳しいことは分からない。
脱線した。
いつも「桜餅を食べたい」、と思うのが4月も半ば頃になってから。不思議なくらい、いつもそうなる。それでダメもとでスーパーなどに行くのだが、案の定、で、もう店頭にないことの方が多い。代わりに早めの柏餅が大量に並んでいる。
もう作ってないのか、それとも行く春を惜しんで桜餅を買い占める不届き者がいるからなのか、それは分からない。こういうことは謎を解かない方が良いような気がして聞くことはせず、また桜餅が店頭に並ぶのを心待ちにする。
「桜餅がないから代わりに柏餅を~」、と買って帰ったことは何度もある。代わりにゃならないけど、美味しく腹に収める。
今回も、実は生協には既になかった。
勿論、ちゃんとした和菓子店には置いてある。
仕方がない。館内の和菓子店で一個140円のを三つだけ買って帰った。
もうすぐ春たけなわ。
行く春を惜しみながら桜餅を食べ、新緑を愛でながら柏餅を食べる。
ということで、両方買って帰る。
早い話がどっちも食べたかっただけ。