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ただの日記

あれ?

2021年05月20日 | 日々の暮らし

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和2年(2020)6月20日(土曜日)弐
       通巻第6547号 
 
  似非作家・司馬遼太郎を擁護する磯田道史という歴史家の欺瞞
   ロシア革命はユダヤ人が実行した裏面史をわすれてはいないか
  ♪
 書評

 田中英道『左翼グローバリズムとの対決』(育鵬社)
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 共産主義を正面から説けなくなった左翼は、隠れ蓑にエコロジー、異常気象、公害、反原発、反基地などを選んで反対運動を組織化してきた。だが、予想したほどの運動の盛り上がりはなかった。沖縄を見ても、反対を叫ぶのは外人部隊、つまりプロの活動家たちであり、地元住民の顰蹙を買っている真実はよく知られる。
 嘗ては左翼を名乗ることがインテリの証明だと錯覚された時代があった。いまでは左翼は社会のゴミという認識が拡がった。全共闘世代はその出自を隠して企業に入った。
 そこで左翼は、もっと巧妙な、周囲を遠慮なくごまかせる隠れ蓑を探した。あった。LGBTと異常気象だ。だが、多くはこれらの運動を異常なものとみた。
 昨今の格好の偽造装置はマルクス主義に替わるグローバリズムだった。
「資本主義の自由を鉄壁の楯」として、資本(カネ)の移動の自由化、ヒト、モノの移動の自由を訴えて、多くの共感を得た。
世界市場を席巻した。ところが、その内実は国家破壊策動だった。根源に陰謀があることを、最初から見抜いた人は少ない。当初から警告を発し続けた知識人のひとりが、この本の著者、田中英道氏である。
 グローバリズムとは、かつてのインターナショナル。国際共産主義運動の変形であり、共産主義者の世界標準化を、狡猾に狙うものと田中氏は問題点を抉り出した。
だから「かれら」は、マルクス主義とか、共産主義とか、全体主義に直結イメージのある語彙を使わなくなったのだ。
 田中氏は本書で似非作家・司馬遼太郎を奇妙に擁護する磯田道史という歴史家の欺瞞を糺している。
またロシア革命はユダヤ人が実行した裏面史をわすれてはいないかと問題を問いかける。ユバノヴァル・ハラリとかの『サピエンス全史』を取り上げて徹底的に批判しているあたりも痛快である。
 司馬遼太郎が明治維新の近代化を理想のように描いたのは、江戸時代までを封建制度社会ととらえ、近代を金科玉条のように「進歩」とする誤謬による。
このような進歩史観は、ヘーゲル源流のマルクス主義史観を基盤とするのだが、「人間そのものが進歩するという誤った考え」でしかないと断言してやまない。
田中氏は以下を続ける。
「紀元前六世紀から紀元前五世紀に、東西の哲学はすべて出揃っていた。プラトン、アリストテレス、釈迦、孔子など、観念論、唯物論、道徳論など、原型はすべて出揃っていた。それ以後、人間の思想は精密になってもさほど進歩していない」(129p)。
 まさにその通りだろう。けれども、日本ではインテリ層の激しい劣化が起きている。

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 標題の通り、ほぼ一年前に宮崎正弘氏が書かれた書評なんですが、何故日記として挙げてなかったんだろう?下書きのままですっかり忘れていました。
コメント
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