CubとSRと

ただの日記

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2021年05月22日 | 心の持ち様
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)5月22日(土曜日)
  通巻第6918号   

 書評 
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 バイデン政権が中国と関係改善を図る裏の意図は何か
  中国の千人計画に無自覚的に協力した西側のお人好したち

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渡邊惣樹『アメリカ民主党の欺瞞 2020─2024』(PHP研究所)
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 アメリカの民主党は、いつからこれほどの腐敗と欺瞞にみちた、陰謀を愛してやまない愚劣な政党に堕落してしまったのか。穏健で、リベラルで、開明派が多かった党は、気がつけば暴力嗜好の、極左全体主義が大好きな、社会に適応出来ない墜ちこぼれが多数派を占める、救いのない政治組織と化けてしまったのか。
 フェミニズムが行き着いた先は、LGBTQだった。人種差別撤退(撤廃?)運動が過激化した結果はカルチャー・キャンセルだった。歴史的な人物の銅像をあちこちに引き倒し、BLMの果てはアジア人虐待と治安悪化、アメリカの分裂だった。
 この劣悪な状況からアメリカを立て直そうとしたトランプの再選を、かれらは不正投票で退場させた。
 こうした本質を知らないで昔の郷愁で民主党に近付く日本人の代表格はメディアと外務省と、売名好きな政治家である。救いのない政党に救いを求めるのは、もっと救いがないことに、永田町の多くは気がつかないのかも知れないなぁ。
 バイデンは認知症が激しく、演説をまともに出来ないので、外交はブリンケンとサリバンに、国際舞台はハリス副大統領に任せ、リベラルメディアの社説を読んで政策をきめるようだ(21日の米韓首脳会談で記者会見に臨んだのはバイデンではなくハリスだったように)。
 さてアメリカ通の渡邊氏の新作から得られた情報は多いが、次の諸点が大いに参考となった。
 『千人計画』は欧米日から優れた学者、研究者をスカウトし、中国のハイテク活用に便利にこきつかう機関である。
 中国に利用されることに、このスカウトされた人たちには自覚がない。
 「敵の成果を盗むことは、自ら開発するより『経済的な』方法である。2008年から2016年までにリクルートされた科学者の総数は六万に上る。その
『成果』は、2019年の世界特許申請数に現れた。中国の申請数が、米国のそれを初めて上回った。中国政府は、科学者の特許申請および企業家を支援する見返りに、その使用権を獲得する。その中には軍事転用される技術も多い。中国は世界各地に六百カ所の採用拠点を構築した。米国に147,ドイツと豪州には各57,英国、カナダ、日本、仏蘭西には各およそ40の拠点が出来ている。中国政府と契約を結んだリクルート会社には採用一人あたり3万ドルが支払われるだけでなく、報奨金も用意された」(85p)
 ハーバード大学のリーバー教授が『中国の代理人』の筆頭だが、ほかにもカリフォルニア大学で、スパコン開発に携わった鄭松国が逮捕された。研究助成金430万ドルを得ながら大学に報告していなかった。
 李暁江はエモリー大学教授だった。中国から得た所得50万ドルを申告していなかった。
 ジェイムズ・ルイス(ウエストバージニア大学教授)は、大学から長期の有給休暇を貰っていながらも、中国社会科学院で指導し、年俸8・6万ドル、生活手当14万3000ドル、研究資金57万ドルを得ていた。
 バイデンは、こうした中国に甘い。鬱陶しくなるほど、その偽善と欺瞞は頂点に達していることが、本書を通じてのみこめる。
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コメント
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