みやぎ仙南農協角田肉牛部会では,肥育成績向上を目指して平成20年秋から17ヶ月間にわたり,北日本くみあい飼料で新しく作った肉牛用配合飼料「臥牛」の給与試験を行ってきました。
7戸で導入された22頭を対象に,毎月体高・体重・胸囲を測定・記録するとともに,血液検査を4回行いました。ビタミンAの最も低い月齢では,糞を水で洗い繊維の消化程度の確認や,瞳孔の収縮状態からビタミンAレベルの推測にも取り組みました。
毎月の巡回では,その月齢に特徴的な状態を部会員全員で観察し共通理解を深めて行きました。農繁期でも欠席者はほとんど出ず,意欲の高さが感じられました。月ごとにDG(Dairy Gain:増体)を把握することで,発育の良し悪しを正確に判定できるということは生産者にとってかなり価値ある情報となります。また,22頭をすべて同じ月齢に揃えているので,比較しやすく学ぶことの多い試験となりました。
今回,対象牛の出荷がすべて終わり,肥育成績をもとに総合検討会が開催されました。全般に従来よりも良い肥育結果が出て「臥牛」に一定の評価が得られました。共通した配合飼料を使ったことで経営ごとの管理の違いが成績の差として現れ,「畜舎の衛生環境に問題がある」「食い止まりとビタミンA欠乏の判断を見誤り,対応が遅れた」など,活発に意見が交わされました。
今後は,今回の各経営ごとの課題を解決した上で,次期の試験に移る予定です。普及センターでは,ますますの発展が感じられる角田肉牛部会を技術・経営の両面から継続して支援して行きます。
〈連絡先〉大河原農業改良普及センター 先進技術第一班
TEL:0224-53-3496 FAX:0224-53-3138