近年,水田の有効活用が可能な転作作目としてホールクロップサイレージ用稲の作付が拡大しています。一方,稲ホールクロップサイレージ(以下「稲WCSという」)は,良質な自給粗飼料であり畜産農家での利用拡大が望まれますが,給与技術の普及が遅れていることから利用が伸びていないのが現状です。このこともあり8月に開催した栽培技術研修会時にも参加者から給与技術研修会の開催要望が出されておりました。
そこで,畜産農家における稲WCSの給与技術向上を図るために11月26日に給与セミナーを開催したところ,管内の畜産農家や関係機関を含めて41名の参加がありました。
当日は,畜産試験場酪農肉牛部の鈴木主任研究員から稲WCSの飼料特性と畜種毎の給与量や手法等の説明を受けました。また,管内で約10年間給与実績のある酪農家と肉用牛繁殖農家2名から給与事例を紹介してもらいました。出席した畜産農家からは,給与することによる影響や給与する上での留意点など,熱心な質問があり,関心の深さを再認識しました。
今後は,個別農家の巡回による給与指導や耕畜連携に向けた情報交換会等の開催などの取組を通じ,管内における稲WCSの利用を推進していきます。
石巻農業改良普及センター 先進技術第一班
TEL 0225-95-7612