就職指導室の徳永です。現在、私の住んでいる埼玉は立派な施設がたくさんあります。サッカーで有名な埼玉スタジアム、スーパーアリーナなど。しかし、人気のないハコモノもあります。埼玉県民でもその存在すら知らない人が多いのが埼玉ピースミュージアムです。私も長年、埼玉に在住しながら、その存在を知ったのは先月のことでした。ミュージアムは平成5年に30億円の総工費をかけてつくられましたが、日曜日でもほとんど来館者がなく、閑古鳥が鳴いています。どんなミュージアムだろうかと興味が湧いたので早速行ってみました。受付の先に、タイムトンネルがあります。昭和の世界が再現されています。まるで三丁目の夕日のような住宅が原寸大で再現されています。その先に戦時中の国民学校があります。校庭には、いまではあまり見かけなくなった二宮金次郎像が立っています。教室内に入ることもできます。上部が開く机は、いまではちょうどパソコンが入りそうな感じです。しばらくすると、教壇から白いスクリーンが降りてきて、当時の授業を再現映像で見ることができます。一時間目は修身です。先生が生徒に将来の夢を聞きます。ひとりの生徒が応えます。「私は海軍に入り、敵の戦艦を沈めたいです」。すると先生が「よく言った、それでこそ日本男児だ」とほめたたえます。もう一人の生徒が手をあげて答えます「ぼくは陸軍に入って大砲で一人でも多く敵の兵士をやっつけます」。そして先生は「とても立派な夢だ、立派な夢に向かってしっかりと頑張るように」。女子生徒が手をあげます。「先生、女子は戦場に行って戦わなくてもよいのですか」。先生は「実際に戦場で戦うのは男の仕事、女子は国に残って、軍需工場で働いたり、家庭を守って子育てしたり、多くの仕事がある」。それでは、「日本がなぜ戦争をしているかわかるものいるか」。そのときでした。空襲警報がけたたましく鳴ります。「全員待避」と先生の掛け声。校庭にある防空壕へ私も避難します。やがて地響きとともに爆撃機の音が聞こえ、しばらくすると赤い光とともに近くに落ちた爆弾のさく裂音という疑似体験ができます。私ひとりで体験していたので、いろんな想像をしてしまいました。ミサイルなら、気が付いたときには炸裂しているのではと思うと怖くなりました。
いまから76年前の昭和16年、アメリカ現地時間12月7日午前7時50分、日本は真珠湾を攻撃しアメリカと戦争を始めました。この作戦の司令官、山本五十六海軍大将は戦勝ムードに酔う様子を見て「困ったことになった」と言ったそうです。今の日本が困ったことにならないよう願いつつも、覚悟だけは決めておきたいと思います。