近所の小学校、校庭の隅に佇んでいた二宮金次郎像がいつの間にか撤去されました。 小学生のとき、像の前を通るときは立ち止まって像の方を向いて一礼してから通るように先生から教えられたものです。それが身についているせいでしょうか、いまでも小学校の脇を通るときに像を見かけると、つい挨拶をしてしまっていました。 撤去の理由は、子供が労働している姿が現代の教育にあわない、本を読みながら歩く姿が「歩きスマホ」をしているように見え、子供たちが真似をするからだそうです。いつまでもあると思っていたので少し淋しい気持ちにもなります。そこで、オートバイに乗って、あちこち探し回り、自宅から約50kmの地点で見つけました。その二宮金次郎像は、近未来的な校舎の裏門の外に佇んでいました。昭和十二年に建立され、もともとは校庭の中央にありましたが、校舎改築の際、裏門の外に移されたそうです。本は持ってなく、薪を背負って歩く姿です。戦前に、歩きながら本を読むのが危ないと考えたのでしょうか、もしくは、後になってリメイクしたのかは分かりません。像の表情から、信念をもって働く、子供ではなく青年のようにも見えます。二宮金次郎像と青空と私のオートバイの写真を撮り、少し清々しい気持ちになりました。二宮金次郎は「勤労」について次のような言葉を残しています。「各々の職業の価値に誇りを持ち、社会に役立つ成果を考えながら働く」。現代にも通じると思います(就職指導室・徳永)。