この秋初のキノコうどん。ハタケシメジ、クリタケ、ムキタケ。いずれも天然物です。といってもキノコに詳しい方には、すぐに変だなとお分かりになるはず。採れる季節が合っていませんね。そうです、これらは去年の秋に採れたもの。冷凍して保存しておいたものなのです。
ハタケシメジは、そろそろですが、それ以外はもっと後に出るキノコです。キノコの冷凍ってあまり聞かないかもしれませんが、クリタケ等は茹でるよりそのまま冷凍した方が味が損なわれずに保存できます。むしろ細胞が壊れやすくなるのか風味が増します。ハタケシメジ、ムキタケは、さっと湯がいて水気を切ってから冷凍します。わが家にはキノコ専用の冷凍庫があるのです。うどんはもちろん手打ち、地粉をブレンドして朝打っておき、半日ねかせます。それはもう美味です。自然の恵みに感謝しながらいただきました。
妻女山展望台は、風林火山で有名になりました。あんな里山でキノコが採れるんだと思われるかもしれませんが、歩いて4、5分で天然キノコが山のように採れるなら苦労はしません。熊が出る山奥で、急斜面の藪やスズメバチ、クモの巣、毛虫などと戦いながら苦労して採るのです。採る場所は親子でも教えないなんて話もありますが、そんな大袈裟なものでもありません。キノコ目が肥えてくればだいたいどこにあるか見当はつきますから。それでもキノコ狩りは、やはり大変です。親戚のものは、熊に遭遇しています。月の輪熊に眼(がん)をつけられて勝つ自信がないとキノコ狩りはできないかも…。オオスズメバチは、もっとやっかいです。
母は今年80歳になったのですが、一緒に行きたいと言っています。去年は急斜面で転んで一回転したのですが、スタッと無事に着地したので今年も大丈夫だと言っています…。離れて住むキノコ狩り大好きな孫達はとても心配しています。ヤレヤレですが、きっと付いてくるでしょう。
この秋は、夏の高温とその後の長雨があったので期待できそうです。もっともこういう時には毒キノコも大量に発生します。ベテランでも間違えることがあります。クリタケそっくりなニガクリタケもあります。図鑑では分かりません。地域によって変異することもあります。簡単ではありません。少なくとも死に至る猛毒のキノコは確実に覚えておく必要があります。迷信による毒キノコの見分け方も絶対に信じてはいけません。
ドクツルタケ、シロタマゴテングタケ、タマゴテングタケは「世界の三大猛毒菌」といわれるものです。しかし、実際に中毒が多いのは、ツキヨタケ、クサウラベニタケ、ドクササコ、クサハツ、カキシメジ、ニガクリタケなどです。これらの見分け方を確実に覚えておくことが必須です。また、アミタケなどは食べ過ぎると下します。基本的にキノコは生食してはいけないということも覚えておかなければなりません。
今年はウラベニホテイシメジに始まって、ジコボウ(ハナイグチ)、サクラシメジ、ムラサキシメジも期待できそうです。近年わが家では、キノコの天然栽培もしています。妻女山の恵みの秋は始まったばかりです。次の記事では、この秋最初のキノコ狩りの様子と成果をお知らせします。お楽しみに!