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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

きのこ狩りは楽し(妻女山里山通信)

2008-09-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 今秋初のきのこ狩りです。場所は詳しくは言えませんが、月の輪熊、猪、ニホンカモシカ、マムシ、オオスズメバチの棲息地です。昔は妻女山展望台の近辺でも色々採れたのですが、環境の変化で今はまったく採れません。昔は山道でも採れたのですが、林道が拡幅されてからは、それも採れなくなりました。木山をして山の手入れをしなくなったのも採れなくなった原因のひとつです。私が子供の頃は招魂社周辺でも松茸が採れました。その後松枯れ病の蔓延により山は荒廃し、今はその面影すらありません。

 そこで現在は、時間をかけて山奥のヤブ山に入らなければならなくなったのです。とても素人が入れる山ではありません。まず相当の急斜面です。隠れた崖もあります。そして、今回もスズメバチの襲撃を受けましたし、猪や熊のものと思われる糞も発見しました。ヤブ山ですから、現在地を知ることが出来なければ確実に遭難します。

 今回は四人で入ったのですが、その中になんと八十歳の母がいました。去年のきのこ狩りでは急斜面で転んで一回転し九死に一生を得たのですが、それにも懲りず付いていくといってききません。父は山で死ねたら本望だろうなんて笑っているのですから救いようがありません。私が面倒を見ることにして出発しました。

 この時期の信州の低山は、まだ夏山でものすごい藪なのです。エビガライチゴやタケニグサを駆除しながらでないととても前に進めません。クズやアレチウリとの戦いも待っています。そして、ここと決めた地点から急斜面の森に入るのです。と、ここで携帯電話が。なんと仕事の打ち合わせの電話でした。きのこ狩りの最中なのでとも言えず、急斜面で木につかまりながら打ち合わせ。こんな経験も信州ならではでしょうか。

 心配した母は、急斜面もなんのその。息ひとつ切らさず歩いていきます。このおばあちゃんを見たら孫達も驚愕するでしょう。いやはや敬愛する我が母ですが、尊敬するを通り越して化け物に見えてきました。全く凄い人です。テレビで取材して欲しいほどですよ。写真は、その厳しいきのこ狩りの最中に撮影したものです。オトコエシの残花、変形菌(粘菌)のススホコリ、アップはしていませんが、アキノギンリョウソウも撮影しました。

 さて収穫ですが、蜂の襲撃にもめげずサクラシメジの群れをゲット。出始めのウラベニホテイシメジも少し、この山域では珍しいアカヤマドリも採れました。サクラシメジは、天ぷらに。残りは鶏胸肉、去年のハタケシメジ、油揚げと炊き込みご飯にしました。さらに余った分は湯がいて塩漬けに。アカヤマドリは、バターたっぷりのスクランブルエッグ。アカヤマドリは、バターとの相性がよく、これは美味でした。ウラベニはさっと湯がいておろし醤油が一番。初物の味覚を楽しみました。危険がいっぱいの楽しいきのこ狩りはまだまだ続きます。
コメント
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