春に続き、初夏から梅雨時にかけて、信州は山菜三昧の日々が訪れます。山蕗(ヤマフキ)を籠二杯採ってきました。直径50センチ近くある大鍋でキャラブキを作りました。水は使いません。酒と醤油でコトコト煮詰め、煮つまってきたら味醂を加えて照りを出します。その他の調味料や出汁はいっさい使いません。それで山蕗の旨さを十二分に出せるのです。山蕗は、塩をして板づりしたり皮を剥く必要がありません。皮を剥くと煮くずれします。そのため太すぎる蕗は採りません。野趣豊かな風味を堪能する料理ですが、実に奥深く繊細な味です。
また、別の日には山独活(ヤマウド)を大きな袋三杯分採ってきました。まずは天ぷらです。塩、または七味醤油で。太い茎はさっと湯がいて酢みそ和え、山独活のぬたに。細い茎は固いのできんぴらと山独活味噌に。作り方は「山椒味噌」と同じですが、酢を少し入れるのがポイントです。熱々ご飯にのせるといいおかずになります。バラ肉を巻いてソテーや串カツにするとこれもいけます。
山椒ですが、実が大きくなりました。そこで葉は「山椒味噌」に、実は「ちりめん山椒」にしました。市販のものと違い一度しか茹でこぼさないので、山椒の実で舌がビリビリとしびれるほどの大人の味のちりめん山椒です。これも熱々ご飯と抜群の好相性。ご飯が進みすぎる君なのです。
山独活は、さらに春巻きにしました。鶏ひき肉:200g、ヤマウド:100g、キャベツ:200g、タマネギ:1/2個。鶏ひき肉は片栗粉をまぶし、野菜はすべてみじん切り。材料を炒めて牡蠣ソース、ニンニク醤油、中華出汁、酒、味醂、塩コショウで味を付けます。春巻きの皮でまいて油で揚げます。山独活の風味が効いた野趣豊かな春巻きです。
蕨(ワラビ)は、湯がいてお浸しが定番ですが、「ワラビの中華風炊き込みご飯」なんていうのはどうでしょう。これも定番ですが、信州ですから「ワラビ蕎麦」も味わいたいものです。ワラビは結構あく抜きが難しく、昔のように木灰が手に入りにくいので重曹で灰汁抜きする人がほとんどだと思いますが、多すぎると柔らかくなりすぎるし、加減が大切です。茹ですぎても味が抜けてしまいます。
山独活がまだたくさんあるので、新しい料理を考案中です。「自家製オイルサーディンと山独活のパスタ」なんてどうでしょう。「山独活のおやき」も旨そうです。淡竹(はちく)も出てきました。これからは、毎年のように遭難者や熊に襲われる人が出る根曲がり竹のシーズンに突入します。山菜採りは夢中になりすぎると恐いですからね。要注意です。
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