


先週末のことですが、妻女山の奥でキクラゲが大発生していました。五月にしては珍しく降水量が多かったためでしょう。本来なら濃いめの茶褐色をしているはずのキクラゲが、水分をたっぷりと含んでベージュ系のカーキ色。しかもかなり肉厚です。せっせとかき集めて採取するとバケツ一杯分になりました。ずっしりとした重さです。
これも山で採れた大きな椎茸とともに炒めましたが、甘みがあってばか旨でした。キクラゲは歯応えだけと思われてはいないでしょうか。そんなことはありません。料理も、卵とじ、トマトと卵の牡蠣ソース炒め、中華スープ、おろし和えなど色々楽しめます。
キクラゲは漢字では木耳と書きますが、英語では英語で 'Jew's Ear'(ユダの耳)といわれます。その名前のせいかは分かりませんが、欧米ではキクラゲは食べないようです。中華料理では一般的なので食べたことがある人は以外に多いかもしれませんが、おそらくキノコだと思って食べている人はほとんどいないのではないでしょうか。
キクラゲのいいところは、洗ってタッパーウェアなどに入れて保存すると、わりといつまで経っても風味や食感が損なわれないということです。シメジや松茸のように風味がとんでしまうということがないのです。もちろん長期保存には乾燥させて乾物にすることです。これももどせば元に戻ります。
平安時代中期に作られた辞書『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』にもキクラゲが登場しますから、かなり古くから食されてきたとみていいでしょう。不老長寿の食べ物ともいわれますが、鉄分、カルシウム、ミネラルが豊富で食物繊維も多く、コレステロール低下作用が高い健康食品です。
どこにでもあるというものではありませんが、雨後の森で倒木を探すとあるかもしれません。帰りに陣場平に寄り道しましたが、ずいぶんと緑が濃くなっていました。まもなく山椒の実も熟すでしょう。ビリビリと痺れる縮緬山椒を作ろうと思っています。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。
★陣場平については、上杉謙信が陣城を築いたと伝わる「陣場平」をご覧ください。