モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

サッカー日本代表の新たな夜明け(2010南アフリカW杯)

2010-06-16 | サッカー
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 阿吽の呼吸が隅々まで行き届いているクラブカップと違い、W杯はどこも急造チームの感がぬぐえません。よって、戦術とチームの一体感、とびぬけた個人の才能により勝敗を分けることが多いのですが、日本は過去の大会、リアリストにはなれず、日本らしいサッカーというものを追い求めて惨敗してきました。今大会、岡田監督は土壇場で岡崎、中村俊輔、楢崎をはずすというサプライズで初戦に臨みました。ここに至る道が、実はあらかじめ予定されていたということであれば、岡田監督は相当の策略家であるといえます。

 今大会最低の試合といわれようとカメルーンを撃破した事実はやはりすごいものです。確かにカメルーンはチームの一体感がなく、非常に神経質に試合に望んでいました。若い両センターバックは、松井の執拗なアーリークロスが本当に嫌そうでした。そしてなんといっても本田。右サイドでキーパーのボールをキープして起点となり、そのまま左サイドへ、松井の動きに合わせて一旦相手ディフェンスの前に出てからバックステップで消え、相手の背後に回り、松井のクロスをゴールしたわけですが、一連の動きは本当にクレバーなものでした。ゴールは、ゴールシーンだけのものではなく、その前からの伏線が必ずあるといういい見本のようなゴールだったわけです。

 相手ディフェンスは、本田や大久保が斜めに入ってくるのを捕まえきれず、マークの受け渡しもスムーズではなかった。欲を言えばその部分をもっとつけたのではないかなと思うのです。またミドルシュートももっと打ってほしかった。まるでビーチボールのようだと悪評の大会公式球「ジャブラニ」の特性をもっといかすべきでしょうね。実際に蹴ったことがないのでわかりませんが、回転をかけて曲げて落とすシュートは無理なようです。そのかわり、ミドルシュートが速く軌道が変化するので、キーパーめがけて思い切り打つのがいいのかもしれません。

 リアリストに変貌した岡田監督がオランダ相手にどのような布陣で臨むか楽しみです。猛プレスが90分続くとはとうてい思えませんが、親善試合の前半のような戦い方ができれば、デンマークに汚いチームと呼ばれたオランダが切れて退場者がでるかもしれません。そうしたら日本にも勝機とまではいえなくても引き分けぐらいは望めるかもしれません。岡崎がつぶれたら森本の出番もあるかもしれません。泥臭い試合でいいんです。のっている本田の得点を期待したい。

 一方、王者ブラジルが格下に苦戦とマスコミの見出しには出ていましたが、優勝を狙うチームの初戦はこんなものです。グループリーグは七割の力で戦うというところでしょうか。イタリア、スペインもそんなところでしょう。フランスはちょっとおかしい。ドイツは最初からゲルマン魂全開ですが。
 ブラジルの悩みは、国民が望むファンタジスタを入れたチームでは優勝できないということにつきるでしょう。メッシは現在最高の選手ですが、それでもブラジル人が理想とするプレーヤーではないでしょう。やはりロナウジーニョのような選手が好みなのです。しかし、それでは優勝できない。でも北朝鮮との2点目のスルーパスは、コースといいタイミングといいパススピードといい最高のものを見せてくれました。やはり地力は一番でしょう。

 スペインはブラジル人が理想とするような美しいサッカーをしますが、剛健なリアリストのチームとの試合を突破できるかが鍵だと思います。いつも優勝候補に挙げられながら敗退して行ったツテを今回も踏むのか踏まないのか、興味のあるところです。メッシがいつ覚醒するかが見ものですが、ロナウドの15点を超えたら本当に本物。しかしチーム自体にはそれほど地力があるようには見えないのが残念です。ベロンも全盛期は過ぎていますし。

 とにかくこの一勝で日本代表が新たな夜明けを迎えたのは間違いないことです。悔いのない試合をしてくれることを一サポーターとしては願って応援するだけです。ガンバレニッポン!
コメント
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