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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ノアザミでハナアブが鳴らす人類への警鐘(妻女山里山通信)

2012-07-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
 鮮やかに咲いたノアザミで、ホソヒラタアブが盛んに吸蜜していました。幼虫はアブラムシを食べるので人間にとっては益虫ですが、ここ2、3年は非常に少なくなっていました。以前は畑のバジルが咲くと、無数のホソヒラタアブが群がったものでした。写真の個体は、複眼の間があいているのでメスです。

 ノアザミは、春から夏にかけて咲き、花の下の総苞がネバネバします。ここに小さな昆虫や時には座頭虫の長い脚がくっついていることがあります。食虫植物でもないのに、なぜ粘るのでしょう。夏から秋にかけて咲くのはノハラアザミ。総苞は粘りません。

 ホソヒラタアブ(細平田虻)は、ハエ目ハナアブ科ヒラタアブ亜科ホソヒラタアブ属の小型のハナアブの一種です。日本中で最も普通に見られるハナアブといってもいいかも知れません。マクロで撮影しているので大きく見えますが、体長は9から11ミリと小さく、注意して見ないと眼に留まらない昆虫です。人家の庭にもよく現れます。ホバリングが上手で、空中でよく静止をして留まる花を見ています。

 掲載の写真の上から三番目に、ホソヒラタアブの左にホバリングする小さなアブが写っていますが、複眼に縞模様が見える事から、シママメヒラタアブかノヒラマメヒラタアブと思ったのですが、よく見ると複眼と触覚が違います。むしろ蜂の形状をしています。体長は6ミリほどで、ホソヒラタアブよりさらに小さな昆虫です。ヒメハナバチかコハナバチの一種かと思うのですが・・。現在調査中ですが、なかなか同定まで辿り着きません。

 ここ2、3年、蜂が異常に少なくなりました。特にハナアブやハナバチ類。世界的(特に北半球)で問題になっているCCD(蜂群崩壊症候群)に加えて、一昨年の春の低温による激減の影響で昨年も少なく非常に心配していました。これでは、また作物が不作です。花が咲いても受粉できないので結実しないのです。特に豆類が影響を強く受けています。
 アインシュタインが、「地球からミツバチがいなくなったら、人類は4年で滅びる。」と言ったのは、そういうことなんです。

 CCD(蜂群崩壊症候群)については、色々取りざたされましたが、原因はベトナム戦争ので使われた悪魔の兵器「枯れ葉剤」を開発・製造したモンサントの殺虫剤「ネオニコチノイド(除草剤ラウンドアップ)」によるものといわれています。一時、「ハチの免疫不全(エイズ)」だと言っていた学者もいたようですが、なんのことはない、花に降りかかった劇薬・ネオニコチノイドを吸い込んだハチが、中枢神経と方向感覚が麻痺してしまって自分の巣に戻れなくなったことから大量失踪したということのようです。ホームセンターでは、グリホサート系除草剤として売られています。殺虫剤も同様のものがあります。絶対に使ってはいけないものです。

 すでに、フランス、ドイツ、イタリアを始めとするヨーロッパ各国では、あまりに危険なために使用が禁止されているのですが、アメリカ、日本では未だに禁止されていません。モンサント社は日本の種苗会社の株を買収し、伝統野菜を根絶して種の採れないF1種を普及させ、さらには遺伝子組換作物を除草剤とセットで売り込もうとしている非常に危険極まりない企業です。これでTPPに入ったら日本の農業は間違いなく壊滅します。ホームセンターに行くとグリホサート系の除草剤がたくさん売られていますが、使ってはいけません。殺虫剤も同様です。癌との因果関係も証明されています。

 農家だけでなく、家庭菜園をしている人もたくさんいますが、固定種とF1種(自殺種)の区別、そして遺伝子組み換え作物の区別ができるひとがどれほどいるでしょう。今年植えた野菜が固定種かF1種か分かるでしょうか。いや、ホームセンターやJA、園芸店で売られている種のほとんどが、F1種(自殺種)だという事実をどれほどの人が知っているでしょうか。今年は特に固定種の種や伝統野菜の種を集めましたが、結構大変でした。それほど日本の野菜は、知らないうちに、既に侵されているのです。

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