妻女山でも、例年より約ひと月遅れでハタケシメジが採れました。同じシメジとつきますが、「ホンシメジ」は「菌根性キノコ」で、「ハタケシメジ」は「腐生性キノコ」です。前者の方が10倍セシウムをため易いといわれています(同じ条件の場合)。9月6日に発表されたSPEEDIの3月の放射性物質飛散予測では、当地はギリギリ白で、高い被曝を免れたようです。でも東日本は多かれ少なかれ被曝しています。
このハタケシメジがあったのは北面のコナラの木の下で、キノコは芝草の葉に隠れて生えています。三月は落葉期ですが、すぐ上に杉林があるので雨もかなりブロックされます。当地は友人の計測でも低い値なので、大丈夫だろうと思いましたが、念には念を入れてフィンランド食品安全局によるキノコの除染方法をやってみることにしました。
まず、大量の水に浸けてから、流水でゴミを取りながらよく洗います。そして、多めの水で茹でこぼします。これで9割近くは除染できるはずです。元の線量が低いはずなので、大丈夫でしょう。または、濃いめの塩水に浸けて半日置くという方法もあります。塩水の浸透圧でセシウムを除去します。両方を組み合わせてもいいでしょう。ただ、9割除染できたとしても、元々の線量が高い場合には食べない方がいいと思います。もっとも、今の日本で完全に放射能ゼロの食事をしようとすると、餓死するかしないまでも健康を損なうでしょう。原発などなければこんな心配も不要なのに!
ハタケシメジには、β-グルカン、ビタミンB2、ビタミンD、パントテン酸、ナイアシン、カリウム、食物繊維が含まれています。また、抗腫瘍作用、高血圧予防作用、高脂血症予防作用、血糖値上昇抑制作用、動脈硬化予防作用があります。抗腫瘍作用とセシウムの発ガン作用とどっちが勝つのでしょう。そういう問題ではないのですが。ハタケシメジは、見てくれはあまりよくないのですが、味はホンシメジにも負けないほど。天ぷらや炒め物、鍋などに最適です。
キノコと放射性物質との関係について、茨城の研究者の「放射線と生活」から引用しました。チェルノブイリ後のフィンランドの研究成果のようです。ちょっと専門的ですが。
■キノコと放射性セシウム
●蓄積型キノコ類 >1000 Bq / kg
ニセイロガワリ(Xerocomus badius)
ヒダハタケ(Paxillus involutus)
コガネヤマドリ(Suilus luteus)
アガリスク・アマラス(Agaricus amarus)
ショウゲンジ(Rozites caperatus)
●高摂取型キノコ類 400~1000 Bq / kg
サフランミルクカップ(Lactarius torminosus)
ベニダケ属
キシメジ(Tricholoma flavovirens)
アンズタケ(Cantharellus cibarius)
●中程度摂取型キノコ類 65~350 Bq / kg
ポルチーニあるいはヤマドリダケ(Boletus edulis)
ヤマイグチ(Leccinum scabrum)
コガネヤマドリ(Suilus luteus)
クロラッパタケ(Craterellus cornucopioides)
●低摂取型キノコ類 < 60 Bq / kg <br /> カラカサタケ(Lepiota procera)
ナラタケ(Armillaria mellea)
ホコリタケ(Licoperdon perlatum)
アミカサタ(Morchella)
ササクレヒトヨタケ(Coprinus comatus)
栽培キノコ
ヒラタケ類
セシウム137を多く含むものには、チチタケ属、カノシタ属、ヌメリイグチ属の一種、アンズタケ、ショウゲンジ、ヤギタケなど。
比較的少ないことが知られているきのこには、イグチ属、ヤマイグチ属、ニンギョウタケモドキ、ヌメリイグチ、ナラタケ属、アミガサタケ属、マツタケなどです。これから信州で出るハタケシメジ、クリタケ、ムキタケ、ムラサキシメジは、いずれも「腐生性キノコ」なので汚染は少ないと考えていいのですが、土壌汚染が高い地域は「腐生性キノコ」でも要注意です。イグチとマツタケは、「菌根性キノコ」なのに低めというデータもあるようで、詳しい調査が必要です。
チェルノブイリ後の研究で、低線量被爆であっても免疫系、内分泌系、神経系、生殖系の機能の攪乱が起き、遺伝子が傷つけば世代を超えた影響にも及ぶことが分かっています。これからは、極力内部被曝を避ける知識や排出する方策を身につけていかないと生き残れません。やれやれ。
■「食品の放射性セシウムを減らすためのアドバイス」放射性セシウムは、きのこ(生、乾燥、塩漬け)を水につけたり茹でたりすることで除くことが可能であり、この工程で70~90%のセシウムが削減できる。つけたり茹でた水は捨てる。
■「ビタペクト2」はりんごから抽出したペクチンに7種類のビタミンを混ぜた粉末状の健康食品です。水に混ぜるだけでジュースになり、それを1日ティースプーン2、3杯分飲むだけで、体内の放射能が体外に排出されます。 また、母乳の初乳に多く含まれる成分のラクトフェリンも防御効果があるとされています。
■「長野県内産農産物等の放射性物質測定結果」キノコもあります。
【遺伝子組み換え作物・農薬】
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■ネオニコチノイド系農薬を空からまくという無謀(長野県千曲市)蜂群崩壊症候群の原因、人間も脳神経を冒される。欧州各国ではあまりに危険なため禁止。
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