このところ善光平(長野盆地)は晴天続きなのですが、午後になると5-8メートルの強風が吹きます。そんな中、山の除草に行くとイネ科の植物の茎に抱きついている黄色い虫を発見しました。なんだろうと近づいてみるとキバネツノトンボ(黄翅角蜻蛉)。各地で絶滅種や絶滅危惧種に指定されている希少種。前翅が透明で、後翅が黒と黄色の編み目模様とパリコレ真っ青のお洒落な配色。
トンボというけれどトンボではなく、アミメカゲロウ目ツノトンボ科。学名は、Ascalaphus ramburi。幼虫は、ウスバカゲロウの仲間なのでアリ地獄に似ているけれど、アリ地獄は作らず徘徊して小さな虫を捕食するようだ。
クマノミズキは、既に咲き終わっているのですが、サワフキを採りに森に入ると、ミズキが咲いていました。クマノミズキの葉は対生で、ミズキの葉は互生。クマノミズキは、花期がミズキより一ヶ月程早いのが特徴なんですが、この対生と互生というのが非常に分かりにくいのです。よく見ないと分からない。で、クマノミズキの葉の方がやや大きく細長い。ミズキはやや小さく丸っこい。ふたつ並べてようやく、ああそうかと分かる位です。実は緑から赤、黒と変化し、鳥や熊などの食料になります。
シナノタンポポ(信濃蒲公英)が種を飛ばし始めました。高さが50センチはあります。もっと大きいのはないかと探したら、70センチというのがありました。在来種カントウタンポポの亜種で、ともに染色体数が2倍体なので受粉しないと種子ができません。外見上は、総苞片全体の大きさが太く、外総苞片と内総苞片の先端の小角突起とが全く無く、緑色した外総苞片と内総苞片の色の濃さが薄いなどの特徴があります。最近は西洋タンポポとの交雑種も見られます。
クサノオウ(瘡の王)の群落が咲き誇っています。ケシ科クサノオウ属。別名は、皮癬草(ひぜんくさ)。生薬名は、白屈菜(はっくつさい)といいますが、非常に毒性が強いものです。瘡(くさ)・丹毒(たんどく)・湿疹を治す薬効があるために、くさ(瘡)の王と呼ばれるようになったとか。茎は中空で、折ると白汁が出て、橙黄色に変化します。北信濃では、里山の林道脇にたくさん咲くのが見られます。決して口にしないように。
コナラにできたナラメリンゴフシ(楢芽林檎五倍子)。ナラリンゴタマバチによって作られた虫コブ(虫えい・ゴール)です。ナラメリンゴタマバチ(雌)が交尾後、コナラの根に楢根玉五倍子(ナラネタマフシ)を作ります。そこから冬に羽化した雌が単性生殖でコナラの冬芽に産卵し、それがこのような五倍子(フシ)を形成するのです。
虫コブは古くから利用されてきました。マタタビはマタタビミミタマバエの作る虫コブができて初めて価値あるマタタビ酒になります。また、ヌルデ(白膠木)の若芽や若葉などにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶ(ヌルデミミフシ)は、お歯黒、染め物、薬、インク、占いなどに使われてきました。特に染料は、空五倍子色という伝統色で、古代より(正倉院にあり)珍重されてきました。
虫コブは、物理的刺激や植物の生長を促進する物質(植物ホルモンやアミノ酸など)により形成されますが、現在は人工的に虫コブを作る研究もされているようです。しかもフシはなにも虫だけによってつくられるのではなく、ダニ類、線虫類、細菌、菌類によっても作られます。ですから虫コブや虫えいよりは、英語の GALL(ゴール)といった方が適切かもしれません。もっとも、植物寄生菌類の多くは果樹や野菜に多大被害をもたらすものばかりですが。現在、日本では1400種以上のゴールが見つかっています。実に奥が深い世界です。
薄紫のキリ(桐)の花が咲き誇っています。強風が吹くとポトッポトッと落ちて、辺り一面に白粉のような匂いが漂います。遠くに象山と皆神山が霞んでいますが、これは靄(もや)ではなく、強風による砂埃のためです。わずかですが放射性物質も舞上がっているはずです。ゴーグルとマスクは必須です。なにせたった一粒で肺癌になるという史上最強の猛毒プルトニウムが飛散したのですから。吸引内部被曝すれば、晩発性障害は必ず出ます。
トンボというけれどトンボではなく、アミメカゲロウ目ツノトンボ科。学名は、Ascalaphus ramburi。幼虫は、ウスバカゲロウの仲間なのでアリ地獄に似ているけれど、アリ地獄は作らず徘徊して小さな虫を捕食するようだ。
クマノミズキは、既に咲き終わっているのですが、サワフキを採りに森に入ると、ミズキが咲いていました。クマノミズキの葉は対生で、ミズキの葉は互生。クマノミズキは、花期がミズキより一ヶ月程早いのが特徴なんですが、この対生と互生というのが非常に分かりにくいのです。よく見ないと分からない。で、クマノミズキの葉の方がやや大きく細長い。ミズキはやや小さく丸っこい。ふたつ並べてようやく、ああそうかと分かる位です。実は緑から赤、黒と変化し、鳥や熊などの食料になります。
シナノタンポポ(信濃蒲公英)が種を飛ばし始めました。高さが50センチはあります。もっと大きいのはないかと探したら、70センチというのがありました。在来種カントウタンポポの亜種で、ともに染色体数が2倍体なので受粉しないと種子ができません。外見上は、総苞片全体の大きさが太く、外総苞片と内総苞片の先端の小角突起とが全く無く、緑色した外総苞片と内総苞片の色の濃さが薄いなどの特徴があります。最近は西洋タンポポとの交雑種も見られます。
クサノオウ(瘡の王)の群落が咲き誇っています。ケシ科クサノオウ属。別名は、皮癬草(ひぜんくさ)。生薬名は、白屈菜(はっくつさい)といいますが、非常に毒性が強いものです。瘡(くさ)・丹毒(たんどく)・湿疹を治す薬効があるために、くさ(瘡)の王と呼ばれるようになったとか。茎は中空で、折ると白汁が出て、橙黄色に変化します。北信濃では、里山の林道脇にたくさん咲くのが見られます。決して口にしないように。
コナラにできたナラメリンゴフシ(楢芽林檎五倍子)。ナラリンゴタマバチによって作られた虫コブ(虫えい・ゴール)です。ナラメリンゴタマバチ(雌)が交尾後、コナラの根に楢根玉五倍子(ナラネタマフシ)を作ります。そこから冬に羽化した雌が単性生殖でコナラの冬芽に産卵し、それがこのような五倍子(フシ)を形成するのです。
虫コブは古くから利用されてきました。マタタビはマタタビミミタマバエの作る虫コブができて初めて価値あるマタタビ酒になります。また、ヌルデ(白膠木)の若芽や若葉などにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶ(ヌルデミミフシ)は、お歯黒、染め物、薬、インク、占いなどに使われてきました。特に染料は、空五倍子色という伝統色で、古代より(正倉院にあり)珍重されてきました。
虫コブは、物理的刺激や植物の生長を促進する物質(植物ホルモンやアミノ酸など)により形成されますが、現在は人工的に虫コブを作る研究もされているようです。しかもフシはなにも虫だけによってつくられるのではなく、ダニ類、線虫類、細菌、菌類によっても作られます。ですから虫コブや虫えいよりは、英語の GALL(ゴール)といった方が適切かもしれません。もっとも、植物寄生菌類の多くは果樹や野菜に多大被害をもたらすものばかりですが。現在、日本では1400種以上のゴールが見つかっています。実に奥が深い世界です。
薄紫のキリ(桐)の花が咲き誇っています。強風が吹くとポトッポトッと落ちて、辺り一面に白粉のような匂いが漂います。遠くに象山と皆神山が霞んでいますが、これは靄(もや)ではなく、強風による砂埃のためです。わずかですが放射性物質も舞上がっているはずです。ゴーグルとマスクは必須です。なにせたった一粒で肺癌になるという史上最強の猛毒プルトニウムが飛散したのですから。吸引内部被曝すれば、晩発性障害は必ず出ます。