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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

雪解けで妻女山陣場平の貝母が大量に芽吹き始めました。銀色に輝く種。北信州にもやっと遅い春が(妻女山里山通信)

2022-03-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 3日ぶりの陣場平へ里山整備と貝母(編笠百合)の観察と撮影に登りました。最高気温は8度でしたが、昼からは北東の寒風が吹き付け、体感温度は0度。腰痛になりました。チェルノブイリがロシアに占拠され、世界第三位の発電出力のザポロジエ原発が攻撃されたことで、久しぶりにガイガーカウンターを持って行きました。ちなみに世界一は東電の柏崎刈羽原子力発電所です。どこかの国のミサイルの射程距離圏内なんですけど…。

 陣場平中央の雪が解けたところに芽吹いた貝母。最低気温がマイナス4度なので、アントシアニンで赤紫ですが、成長したさきっぽは緑です。線から上の膨らみが葉で、10センチぐらいになると、その葉が開きます。

 雪もかなり解けました。今週は週末にかけて気温が上昇するので、週末にはほとんど消えるでしょう。北面の林道のアイスバーンも、来週には春雨がある予報なので、それで消えるでしょう。北信州にも遅い春がやっと訪れそうです。豪雪地帯の飯山とかはまだ雪の下ですが。

 そこら中にこんな風に芽吹いているので、なるべく踏まないようにゆっくりと歩いてください。ロープを張ったほうがいいのではとも言われたこともあるのですが、なるべく自然な形でお見せしたいのです。貝母は強い植物なので、一度踏まれたくらいでは枯れません。せいぜい気をつけて歩いてください。

 西側の落葉松とクヌギ、山桜や山椒の雑木林の中もかなり芽吹いています。左手前の丸太のベンチの周りも貝母だらけです。雑木林の中は棘だらけの山椒の木もたくさんあるので入らないほうがいいですね。枯れ枝で目を突くと大怪我になります。なので私は藪山を歩く時は、必ずポリカーボネートのゴーグルをします。

 山蕗もやっと出始めました。暖冬のときよりひと月は遅いですね。3月下旬には山のあちこちで大発生します。畑の蕗と違いアクが少ないので、採ってすぐ蕗味噌にすると鮮やかな緑のままです。信州人のソウルフードのスギヨのビタミンちくわとかき揚げにすると馬鹿旨です。石川県七尾市の会社なのですが、ここの竹輪はほとんど信州人が食べています。

 陣場平入り口の西向きの斜面の貝母。前の記事で紹介していた場所の貝母です。葉が開き始めています。これから内側から新芽がどんどん大きく伸びて行くのです。帰りに拙書の読者でもあるSさんと邂逅。鞍骨山まで登ってきたというので、現状を聞きました。陣場平へ行ったけど貝母なかったと言うので、あの赤紫のが貝母の新芽ですよと。来週末ご夫婦でまた来ますと。来週末辺りから、貝母目当てのハイカーがポツポツ登って来るでしょう。
 例年だとそろそろ鏡台山から月の輪熊の親子が、餌を求めて下りてくる頃なのですが、今年は半月ほど遅れるかも知れません。この時期の子熊は、4.5キロほどしかないので、熊鈴では逃げません。というか子熊が小さすぎて逃げられないと母熊が思うと、待ち伏せして襲います。そこで、向こうが見えない曲がり角や尾根を乗っ超す時は、ずっと手前からホイッスルを激しく吹いて、これから行くことを伝えます。逃げる時間を与えるのです。妻女山山系には、鏡台山に餌がない時に下りてきます。たいてい3月上旬、5月中旬から6月中旬の淡竹の筍が出る頃、そしてクリスマスの頃です。通る経路や行く場所もだいたい決まっています。私は何度も遭遇したりニアミスしていて、そのことを拙書の『猫にマタタビ、月の輪熊に石油』というエッセイでも紹介しています。昨年は、5月12日に、堂平大塚古墳のログハウスで、すぐ近くにいる親子連れの熊を確認しました。

 灌木の伐採や落枝を片付けたり撮影をしていたら、午後1時半になってしまいました。休憩のために堂平大塚古墳の横にあるログハウスへ。ここなら寒風もしのげます。杉の木はまだ花粉を付けていません。しかし、今週末ぐらいからは危ない。PM2.5黄砂も危ない。やれやれ。

(左)昼食は自家製の野沢菜漬けで作ったチャーハンと、地大根の酢辛子漬けに昨晩の骨付き鶏の唐揚げ。そしてルイボスティー。遠くの里山や北アルプスを眺めながらまったりと。食後は、ツイッターの確認。(右)福島第一原発の大事故の後で買った放射能測定器。久しぶりに計測しました。当時は、0.003マイクロシーベルトとかもありましたが、今回はログハウスも陣場平も0でした。放射性プルームは、四阿山がブロックしてくれましたが、北部の低山を超えて犀川を遡りました。クリタケが100ベクレルとか。マイクロホットスポットが各地にできました。当時は、あちこちの山に登って計測しまくりました。2011年のこのブログ記事をご覧いただくと概要が分かると思います。私が作った、福一の面積を各都市に重ね合わせた画像のツイートは、何千何万のRTやlikeがありました。キノコの除染方法もスライドショーで紹介しています。放射能は10万年でやっと半減とかいう物質です。汚染状況は、あの時とほとんど何も変わっていません。

 ログハウスで見つけた種。センニンソウ(仙人草)かボタンヅル(牡丹蔓)でしょう。美しい。今週末には、そろそろニホンカモシカの冬毛も落ちるでしょう。子連れの熊が鏡台山から山菜を食べに下りてくる頃でもあります。

 寒風で冷え切ってしまいました。腰痛も。体がガッチガチです。慌てて下山して温泉へ。駐車場から松代方面。山座同定を入れました。今春は、セツブンソウもセリバオウレンも開花が遅くなりそうです。逆に急に暖かくなるとの予報なので、梅、杏、桜がほぼ同時に満開になるかも知れません。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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