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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平の貝母は順調に成長。なんとセリバオウレンが開花。ミヤマセセリの春の舞(妻女山里山通信)

2022-03-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 山仕事の続きで貝母の群生地の妻女山陣場平へ。前々回の作業で重い倒木を動かして腰を痛めてしまったので、前回はほとんどできませんでした。今回は、積石塚古墳の周りの灌木を伐採しました。

 毎回撮影している陣場平入り口の西面の最も成長が早い貝母。毎日10ミリぐらい成長しますが、春雨が降って気温が上昇すると15〜20ミリぐらいの成長になります。

 随分と雪が消えました。山蕗もあちこちで芽吹き始めました。もしやと思い、森の中を貝母を踏まないように遠回りして行ってみると。

 なんとセリバオウレンが咲いていました。小さい! 髻山の群生地のものは、花の直径が10ミリぐらいなのですが、これは5ミリほど。可憐すぎます。

 どれも雄花です。私は知っているので分かりましたが、小さすぎて目に入らないと思います。月末にかけてもっと咲き始めるでしょう。

 今回の作業です。手前が積石塚古墳。向こうが貝母の群生地。その間に灌木がたくさん生えています。今回はこれを全部切ります。数が多いのと切る際にかがまないといけないので、腰への負担が半端ないのです。

 伐採の理由は、前回伐採したら古墳の周囲にも貝母がたくさんあることに気がついたからです。そして貴重な古墳を皆さんに見ていただくために灌木を伐採することにしました。樹種は、ミヤマウグイスカグラ、ウツギ、クサギ、ヤマフジ、サンショウなど。周囲の森にたくさんあるものなので、伐採しても問題はないと判断しました。

 そんな伐採した灌木にスカシダワラ。クスサン(樟蚕/楠蚕)。ヤママユガ科のガの一種です。昔は繭をつくるために出す糸は、釣糸用のテグスの代用品にしたこともありました。繭は非常に固く堅牢です。幼虫はクリ、クヌギ、コナラ、サクラ、ウメ、イチョウ、クスノキなどの葉を食べます。

 林道から陣場平入り口の斜面の雪はすべて消えました。作業を終えてログハウスへ下ります。正午に長野市からは子鹿のバンビが、千曲市からはふるさとが流れてきます。

 途中で羽化したミヤマセセリ(深山挵)がたくさん日向ぼっこをしていました。成虫は早春にのみ見られます。5月に幼虫となり、食樹の葉を折り返して巣を作り、幼虫のまま越冬して早春に羽化します。ですから今しか見られないセセリチョウなのです。

 ログハウスのKさんが植えた梅の木も花芽が膨らんできました。これは紅梅。咲くのが待ち遠しい。

 福寿草もずいぶんと増えていました。おっ!来ましたね。

 今年もセイヨウミツバチがやって来ました。福寿草に蜜はないので花粉を集めに来たのです。後ろ足に花粉の塊が。

 千曲市が松枯れ病の空中散布をネオニコチノイド系農薬に変えるまでは、ニホンミツバチも見られました。私が働きかけて空中散布は中止になりましたが、ニホンミツバチは戻ってきていません。農薬や殺虫剤、放射能や電磁波は、取り返しのつかない被害をもたらします。知らなかったでは済まないのです。5Gなどもってのほか。生物には人工電磁波への耐性がありません。インドは5Gのアンテナをすべて撤去しました。必ず多大な被害が出ます。しかし、それで病気になっても死んでも、気づかないか気づいても因果関係は証明できないでしょう。無知は死を招く。利益優先の科学技術に殺される。そういう時代に私達は生きているのです。

 所要で松代パーキングエリアに立ち寄りました。国道403号から入れます。上の上りパーキングエリアから見る斎場山山系。上りでは産直の新鮮な野菜が買えます。

 上りと下りは階段でつながっています。ここのとろろご飯や蕎麦は安くて美味いので人気です。松代方面の山座同定をしてみました。ここから新潟方面は、ガソリンスタンドが長い間無いので、ここで給油をおすすめします。403号からの駐車場がいつも満杯なので、広げてほしいですね。

 奇妙山のアップです。拙書では、矢印の30mの崖を登るコースも載せています。非常にスリリングで眺めもいい面白いコースです。長野では有名な天外ダルマ。この近くには松代焼きで有名な松代陶苑もあります。
 明日は3.11から11年。人心は風化して忘れても放射能は風化しません。政府が言う福一のデブリの処理は不可能です。一日10キロ回収してもすべてを終えるのに200年以上かかります。汚染水の海洋投棄の問題点は、トリチウムだけではありません。DNAを傷つける炭素14が含まれています。廃炉は不可能です。最終的には石化しかないでしょう。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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