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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

天然マイタケとウラベニホテイシメジの共演! 毒キノコも続々。同定は確実に(妻女山里山通信)

2016-09-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
 一週間近く雨ばかりの日が続いていましたが、やっとあがったのでキノコ狩りと撮影にでかけました。厚く雲が覆っていますが降雨はなさそうです。長雨のせいで倒木や落枝があちこちに。途中、ログハウスのKさんに邂逅。ウラベニ一本採れたよと。期待して山中に入りました。

 足元でバタバタと大きな音が。見るとスズメバチがミンミンゼミを襲っています(左)。顔紋が確認できなかったのですが、25ミリぐらいなのでコガタスズメバチでしょう。長雨で樹液も出なくなったので、餌のターゲットをセミに変えたのでしょう。盛んに顎で噛み付いて仕留めようとしますが、セミも激しく抵抗します。結局、コガタスズメバチは諦めて飛び去って行きました(中)。帰りに寄るとオオスズメバチでしょうか、持ち帰った様でなくなっていました。
 秋になって樹液バーに訪れるのは、オオスズメバチだけになりました。そのオオスズメバチも長雨で樹液が出なくなった様でいませんでした。秋は幼虫が育って大量の餌が必要になるため働き蜂(全てメス・オスバチは生殖専用)は大忙しで巣の大きさも最大になります。そのため働き蜂のストレスも最大になり、攻撃性が増すのです。樹液が出なくなると、カマキリやコガネムシ、カミキリムシ、セミなども襲いますが、オニヤンマやオオカマキリには逆に襲われて捕食されることもあります。秋が深まり餌の昆虫が減ると、他のスズメバチも集団で襲う様になります。

 キノコがあちこちに出ています。ベニタケ科のドクベニタケ(左)。ハラタケ科のカラカサタケ(中)大きなキノコで食菌です。二度ほどフライやソテーで食べたことがありますが、特に美味しいキノコではありません。ハラタケ科には、猛毒のキノコもあるので同定は確実に。テングタケ科のカブラテングタケの幼菌(右)。基部で5センチぐらいですが、大きくなると傘の直径が25センチにもなります。不食。

 道なき山を30分以上歩いてやっとウラベニホテイシメジのシロへ。ウラベニホテイシメジ。傘に霜降り模様があります。(左・中)。ウラベニホテイシメジの軸は地中に潜っているので根本を持って折らないように抜きます。矢印から下が地中にあります。軸は太く中実。近くにあった毒のクサウラベニタケ(右)。軸は枯葉から出るため矢印から下が短いのです。軸はやや細く中空。傘は霜降り模様がなく艶があります。全体に華奢な感じですが、稀にウラベニの様に太いものもあるので要注意です。絶対に間違えない秘訣は、ウラベニホテイシメジと同定できても、軸が細く地中部分が浅いものは念のため採らないことです。

 20m位離れたところからでもすぐに分かりました。天然マイタケ。大きなコナラの根本に大小二株ありました。味は栽培種と同じですが、濃さが違うのです。今年採取したこの木からは、あと2〜4年は出ません。

 天ぷらと鍋がオススメです。出汁やポリフェノールを出すため水から煮ます。風味が強いので、ジビエやゴボウなど、味の強いものと合わせても大丈夫。きりたんぽ鍋やだまこ汁、チゲ鍋にも。炊き込みご飯もいけます。パスタやリゾット、グラタンやピザなど洋風もいけます。中華料理にも合います。

 ヤマザクラの立ち枯れにウスヒラタケ(左)。10m位の幹にビッシリ付いていました。こんな木が何本も。倒木にキクラゲ(中)。キクラゲは有毒のものがないので安心して採れます。トマトと卵の中華炒めに入れると最高です。帰りに、私のシロではない森に寄ってみました。そこで見つけたウラベニホテイシメジ(右)。長雨のせいでしょうか、今年はこんな風に軸が曲がったり、横に伸びたものが散見されました。結局、ウラベニホテイシメジは16本採取。今秋初めとしては上出来でしょう。

 林下には猛毒のドクツルタケがたくさん生えていました(左)。これも全草が猛毒のヤマトリカブト(中)。ハナオチバタケ(褐色型)(右)。不食ですが、可愛らしいキノコです。

 妻女山展望台の登り口にヤクシソウ(薬師草)の群生地。蕾は真上に林立し、花後はうなだれるのが特徴です。キク科オニタビラコ属の越年草。薬師草と書くように、薬師如来に由来する薬草です。腫れ物に効くそうです。別名は、苦味が強いのでニガミグサ(苦味草)。茎や葉を折ると白い乳液が出るのでチチクサ(乳草)。馬が好んで食べるのでウマゴヤシ(馬肥)などがあります。

 妻女山展望台から松代方面。右に象山と奥にプリン型の皆神山。左の奇妙山は山頂が雲の中。更に奥の根子岳と四阿山は、全く見えません。反対側の北アルプスも、もうずっと見ていません。さすがに秋晴れが欲しい信州です。

 雨ばかりなので、現在所有している主なナイフを撮影してみました。一番上はバックの特別モデルで、これはほとんど使いません。二番目は、アルマーの軍用ナイフで、ヘビーデューティーな最も実用的なナイフです。相当ハードな使用にも耐え、サバイバルナイフとしても使えます。三番目は、ウェンガーのチャンピオン。スイス・アーミーナイフといえばこれとビクトリノクスが有名ですが、ウェンガーはその傘下になり、ブランドもなくなりました。ハンドルが赤いのが特徴ですが、これは黒いので何か特別モデルだったのでしょうか。キャンプやBBQなどに便利です。四番目は、30代の頃に自作したナイフです。加工だけでなくデザインも自分でしました。ブレードは、フルテーパードタングで、ハンドル部分は4本のピンで留めています。持った時にちょうど中指に重心が来る様になっていて、非常に使いやすいナイフです。現在、シース(鞘)が無いので、手持ちの皮で自作したいのですが、なかなか時間が取れません。それと手入れが不十分なので、ケアが必要です。錆防止には、純正椿油を極薄く塗っておくといいそうです。

 里山に撮影に行く時に携帯するツールの中から選んでみました(右)。左から剪定バサミ。ヤマガシュウやエビガライチゴなどの棘のあるバラを切ったり、目を突きそうな枯れ枝を切ります。次は熊鈴。2つがぶつかり合ってよく鳴ります。カウベルタイプよりこちらの方が高い音が出てよく響きます。三番目はホイッスル。熊鈴が鳴らない時や、非常時などで使います。四番目はサバイバルツール。コンパス付き。もう一種類持っています。五番目は、ガイガーカウンター。こんなものも必要な嫌な時代になりました。最後は、ハチに刺された時に使う毒抜きのためのポイズンリムーバー。これは必須です。

 キノコは、図鑑や生半可な知識で同定すると、いつか酷い目に遭います。原則持ち帰ってからではなく現場で同定します。発生した場所の環境が重要なのです。怪しいキノコは保健所に持って行って鑑定してもらってください。そして、福島第一原発の事故後、日本のキノコは汚染されました。原発を推進してきた政府と東電が日本の伝統食文化を破壊したのです。高汚染地のものは食べられません。そうでない場所のものも必ず除染してください。塩水に浸けてから茹でこぼしが基本です。
ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケの見分け方 :プロでも間違えやすいキノコ。同定は確実に。確信が持てないなら採らないで。死ぬことはないが激しい嘔吐と下痢に襲われます。

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■『国分寺・国立70Sグラフィティ』村上春樹さんの国分寺「ピーター・キャット」の想い出。

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