最高気温の予報が35度の猛暑日、3週間ぶりに茶臼山へ撮影に向かいました。10時過ぎには標高370mの麓は30度ですが、りんご畑の道を登って標高700mの駐車場に着くと気温は26度。時折涼風も拭き上げてきます。しかし、直射日光は痛いほど。撮影の時以外は日陰に避難します。アブがもの凄いのですが、そう思って虫回避の服装。紺と白のボーダー柄のTシャツに白いアームカバー、白いパンツ。シマウマのボーダー柄には虫よけの効果があるそうで、牛に白い縞を描いたら虫が70%減ったそうです。今回も取り憑かれませんでした。白Tは目一杯集られます。黒は蜂に襲われます。山へ行くときはマリンファッションがいいのです。
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アキアカネより少し小さなトンボ。ヒメアカネ(姫茜蜻蛉)。マユタテアカネやマイコアカネと似ているのですが、眉は無いし顔も青っぽくありません。
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腹部の先端の形状からメスでしょう。トンボの翅は、細いパイプ状の翅脈(しみゃく)と、透明な薄い膜でできていますが、全体重の2パーセントほどしかありません。
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トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせる直接飛翔筋型昆虫です。蜂は筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶ間接飛翔筋型昆虫です。
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シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)。オスは成熟すると青くなります。メスはならないのでムギワラトンボと呼ばれます。腹部の第8節が横に膨らんでいる様に見えるのでメスでしょうか。
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アップにするとなかなか獰猛な面構え。肉食で蝶や蛾、ガガンボやハエや蚊などを食べます。成熟したオスは白く粉をふいた様になりますが、紫外線を反射する働きがあるそうです。
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アオイトトンボ(青糸蜻蛉)。
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メタリックな色が美しいトンボです。
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茶臼山は棚田や溜池が多いので色々なトンボが生息します。オオアオイトトンボ、モノサシトンボ、オツネントンボも見られます。オニヤンマも2匹いましたが、餌を捕らえた時しか止まらないので、今回は撮影できませんでした。
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ノシメトンボ(熨斗目蜻蛉)。熨斗目(のしめ)は、江戸時代に、武士が小袖の生地として用いた絹織物のこと。赤ん坊のお宮参りの着物。熨斗目蜻蛉は、腹部の黒い斑紋が熨斗目模様に似ていることが名前の由来とか。アキアカネと似ていますが、翅の先端が褐色なので見分けがつきます。
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少し早すぎるかなと思いましたが、ハンミョウの出る場所に行ってみました。しばらく待っていると一匹が出現。しかし、すぐに何処かに行ってしまい、満足な写真は撮れませんでした。8月に期待します。
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ノアザミ(野薊)。総苞が粘るのでこの後に咲き出すノハラアザミと区別ができます。この総苞によくザトウムシの脚や小さな昆虫が捕らえられているのを見ます。食虫植物ではないのになぜ粘るのかと思いましたが、おそらく受粉に寄与しないアリから守るためではないかと思います。
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先に咲いて散ったノアザミが種をつけています。風が吹く度にケサランパサランが飛んでいきます。
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ノアザミに来たのはヒラタアブ(扁虻)の仲間。
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名前の通り平たいアブ。腹部の文様がはっきりとは見えませんが、クロヒラタアブかも知れません。
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ノアザミで吸蜜するジャノメチョウ(蛇目蝶)。お目当ての絶滅危惧種のナミルリモンハナバチが現れないので帰ることにしました。まだ少し早すぎるのかも知れません。撮影時は息を止めているのですが、さすがにこの暑さでは頭がボーっとしてきました。
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ハルジオンで吸蜜するスジグロシロチョウ(筋黒白蝶)。オスはレモンの様な香りのする香嚢という袋を持っています。
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マメコガネ(豆黄金)。幼虫はブドウ、バラ、ヤナギ、そしてクズやマメ類などの根を食べ、成虫はそれらの葉を食べることから害虫として知られています。北米ではジャパニーズ・ビートルと呼ばれる外来の重要害虫。鳥やスズメバチが天敵ですが、土壌中のバチルス・ポピリエという乳化病菌が幼虫に寄生するため大量発生を抑えているということです。つまり、農薬の空中散布などで土壌汚染されて細菌が死ぬと大量発生の可能性もあるわけです。
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左奥に冠着山(姨捨山)。正午前、山上でも30度を越えています。ただ3時を過ぎると下がり始め、5時以降は涼しい北風が吹き始めるのでなんとかしのげます。夕立が降ると気温は一気に10度ぐらい下がるのですが、高気圧が強すぎて小さな夕立しか降りません。猛暑は信州の高原がいいですね。
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暑いので冷や汁。鯖の水煮缶詰、キュウリ、木綿豆腐、青紫蘇、すり胡麻、手作り信州糀味噌、業務スーパーの人気商品・姜葱醤(ジャンツォンジャン)。バックの手ぬぐいは、朝ドラ「らんまん」のモデル牧野富太郎と関係の深い南方熊楠の粘菌(変形菌)。
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◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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アキアカネより少し小さなトンボ。ヒメアカネ(姫茜蜻蛉)。マユタテアカネやマイコアカネと似ているのですが、眉は無いし顔も青っぽくありません。
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腹部の先端の形状からメスでしょう。トンボの翅は、細いパイプ状の翅脈(しみゃく)と、透明な薄い膜でできていますが、全体重の2パーセントほどしかありません。
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トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせる直接飛翔筋型昆虫です。蜂は筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶ間接飛翔筋型昆虫です。
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シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)。オスは成熟すると青くなります。メスはならないのでムギワラトンボと呼ばれます。腹部の第8節が横に膨らんでいる様に見えるのでメスでしょうか。
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アップにするとなかなか獰猛な面構え。肉食で蝶や蛾、ガガンボやハエや蚊などを食べます。成熟したオスは白く粉をふいた様になりますが、紫外線を反射する働きがあるそうです。
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アオイトトンボ(青糸蜻蛉)。
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メタリックな色が美しいトンボです。
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茶臼山は棚田や溜池が多いので色々なトンボが生息します。オオアオイトトンボ、モノサシトンボ、オツネントンボも見られます。オニヤンマも2匹いましたが、餌を捕らえた時しか止まらないので、今回は撮影できませんでした。
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ノシメトンボ(熨斗目蜻蛉)。熨斗目(のしめ)は、江戸時代に、武士が小袖の生地として用いた絹織物のこと。赤ん坊のお宮参りの着物。熨斗目蜻蛉は、腹部の黒い斑紋が熨斗目模様に似ていることが名前の由来とか。アキアカネと似ていますが、翅の先端が褐色なので見分けがつきます。
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少し早すぎるかなと思いましたが、ハンミョウの出る場所に行ってみました。しばらく待っていると一匹が出現。しかし、すぐに何処かに行ってしまい、満足な写真は撮れませんでした。8月に期待します。
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ノアザミ(野薊)。総苞が粘るのでこの後に咲き出すノハラアザミと区別ができます。この総苞によくザトウムシの脚や小さな昆虫が捕らえられているのを見ます。食虫植物ではないのになぜ粘るのかと思いましたが、おそらく受粉に寄与しないアリから守るためではないかと思います。
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先に咲いて散ったノアザミが種をつけています。風が吹く度にケサランパサランが飛んでいきます。
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ノアザミに来たのはヒラタアブ(扁虻)の仲間。
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名前の通り平たいアブ。腹部の文様がはっきりとは見えませんが、クロヒラタアブかも知れません。
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ノアザミで吸蜜するジャノメチョウ(蛇目蝶)。お目当ての絶滅危惧種のナミルリモンハナバチが現れないので帰ることにしました。まだ少し早すぎるのかも知れません。撮影時は息を止めているのですが、さすがにこの暑さでは頭がボーっとしてきました。
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ハルジオンで吸蜜するスジグロシロチョウ(筋黒白蝶)。オスはレモンの様な香りのする香嚢という袋を持っています。
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マメコガネ(豆黄金)。幼虫はブドウ、バラ、ヤナギ、そしてクズやマメ類などの根を食べ、成虫はそれらの葉を食べることから害虫として知られています。北米ではジャパニーズ・ビートルと呼ばれる外来の重要害虫。鳥やスズメバチが天敵ですが、土壌中のバチルス・ポピリエという乳化病菌が幼虫に寄生するため大量発生を抑えているということです。つまり、農薬の空中散布などで土壌汚染されて細菌が死ぬと大量発生の可能性もあるわけです。
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左奥に冠着山(姨捨山)。正午前、山上でも30度を越えています。ただ3時を過ぎると下がり始め、5時以降は涼しい北風が吹き始めるのでなんとかしのげます。夕立が降ると気温は一気に10度ぐらい下がるのですが、高気圧が強すぎて小さな夕立しか降りません。猛暑は信州の高原がいいですね。
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暑いので冷や汁。鯖の水煮缶詰、キュウリ、木綿豆腐、青紫蘇、すり胡麻、手作り信州糀味噌、業務スーパーの人気商品・姜葱醤(ジャンツォンジャン)。バックの手ぬぐいは、朝ドラ「らんまん」のモデル牧野富太郎と関係の深い南方熊楠の粘菌(変形菌)。
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◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。