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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

10月26日(日)の中尾山--茶臼山ハイキングの下見に。黄金色の棚田で見つけた信州の秋(妻女山里山通信)

2014-10-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今年も、中尾山--茶臼山ハイキングのインタープリター(インストラクター)をします。今回はその下見に茶臼山の尾根を歩いてみました。

 その前に、午前中は妻女山山系の奥へキノコの様子を見に行ったのですが、とにかく雨が降らないので山はカラカラ。毒キノコさえ出ていませんでした。諦めて、昨年急逝した山仲間のKさんのログハウスに立ち寄ると、煙が。Kさんの弟さんが伐倒して玉切りした落葉松の処理をしていました。しばらく色々なことを話しました。ログハウスからは、いつもの様に眼下に千曲川と、遥かに北アルプスの黒いシルエット。初冠雪が来る前の今の時期が、最も雪が少ないのです。急逝した彼と、薪ストーブにあたりながら、この風景を何度見たことでしょうか。弟さんとはもちろん、御嶽山の話も。それについては、ツイッターで発信していますのでそちらで。あらゆる天災は、常に人災を含むものです。亡くなられた方々には、心よりご冥福を申し上げます。

 次に山を下り、千曲川を渡って茶臼山へ。朝そそくさと作ってきた紅鮭弁当(紅鮭の塩焼き、自家製丸茄子の辛子漬け、自家製奈良漬け、海苔)を食べてから茶臼山へ。アルプス展望台へ。北アルプスは稜線が雲の中に隠れてしまいました。景色だけ見ると、まだ紅葉は少なく夏の様ですが、吹き抜ける風は乾いていて爽涼です。ここからは御嶽山は見えませんが、御嶽講はこの地にもあり、松代の奇妙山の崖上には、御岳の方を向いた神官像が奉納されています

 樹間に見える神話の山・虫倉山。望遠で撮るとそのモコモコした山容がはっきりと分かります。眼下の棚田では、稲刈りが終わった水田も見られます。私もスナップエンドウの栽培のために、親戚へ藁をもらいに行かなければなりません。籾殻で作るくん炭も毎年作っていたのですが、今年は忙しいので有機石灰と一緒に買いました。キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、白菜、赤カブと聖護院カブ、ネギの種を蒔いて。大根は総太りと全部緑の中国青大根と美味しいおむすびっしゅ大根。辛味大根は、戸隠地大根灰原辛味大根ねずみ大根信州地大根の4種類の伝統野菜。奥多摩の伝統野菜野良坊菜と大玉ニンニクも植えました。仕事の合間にやるので大変です。

 妻女山SDPの仲間も参加して作った新しい展望台。上とは反対側の善光寺平が見えます。眼下にはお見合い露天風呂で有名な中尾山温泉の松仙閣や老人ホームの豊寿苑が見えます。奥にはホワイトリングも。昔は田畑に囲まれて集落が点在していたのですが、今は皆繋がってしまって、どこがどこだかすぐには分からなくなりました。

 茶臼山は、稜線に乗ってしまえば登山道はほとんど平らです。いわゆる西山地域の一番東になります。標高730mなんですが、妻女山山系より北の植物が繁茂しています。理由は、善光寺平を飯山方面から吹き付ける寒風が当たるためです。そのため妻女山山系では、800m以上にいかないとないような樹種が見られます。特にカエデの種類が豊富です。
 左はミネカエデの一種か。標高が低いのでナンゴクミネカエデでしょうか。真ん中はウリカエデかな。木肌もそんな感じでした。他にはウリハダカエデ、ハウチワカエデ、オオモミジ、イタヤカエデもあったでしょうか。右はコシアブラです。妻女山山系では、コシアブラは標高800mぐらいにならないと自生していません。

 秋の花、ワレモコウ(吾亦紅)にアキアカネが留まっていました。吾亦紅が秋風に揺れる様は、なんとも言えない趣と寂寥感があります。「吾亦紅 さし出て花の つもりかな」小林一茶。確かにワレモコウは、これ花なのかなと思いますね。一茶はいいところ突いています。「吾も亦(また) 紅(くれない)なりと ひそやかに」高浜虚子。密やかに。いい句ですね。真ん中はコウゾリナ(顔剃菜、剃刀菜)。面白い名前は、その茎などにある剛毛に由来します。右はシラネセンキュウで吸蜜するシロテンハナムグリ。

 陽だまりにオオカマキリ(大鎌斬)がたくさんいました。緑色のものや茶褐色のもの、両方が混じったものと個体変異が大きいのも特徴です。手で簡単に捕まえられますが、睨みます。気性はなかなか荒いのです。真ん中は、繁茂するとなかなか厄介なヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)。ヤマゴボウというので食べられると思いがちですが、毒草です。日当たりの良い草地にコスモス(秋桜)が揺れていました。『秋桜』というと、山口百恵さんの歌を思い出します。『いい日旅立ち』。これが流行っていた当時は、ジャズやロックばかり聴いていて、特にファンでもなかったのですが。いい歌はやはりいいですね。

 これはノコンギクかな。吸蜜するのは、キンケハラナガツチバチのメスです。真ん中はヤクシソウ(薬師草)。右はイヌタデ(犬蓼)。辛味も風味もないので蓼酢にはなりません。この後、茶臼山では珍しくハナイグチが採れました。茶臼山には落葉松林がないので、採れる時候坊はヌメリイグチなのですが、4本だけ落葉松がある場所があり、そこで採れました。

 黄金色に輝く棚田から見る虫倉山。森の向こう側の下の田んぼでは、コンバインで稲を刈る音がしていました。棚田の畦(あぜ)には、写真のような野草が咲き乱れています。アキアカネが音もなく飛び交っていました。

 帰りに旗塚の駐車場から見る妻女山方面。ちょうど中央手前に妻女山とすぐ奥に象山が重なっています。両尾根を右へたどった先が鏡台山。象山の奥にプリン型の皆神山。左へ御嶽講の神官像のある奇妙山で、その奥には雲に隠れて四阿山。

 山を下りて、千曲市の健康プラザへひと汗流しに。はぜ掛けされた稲の向こうに登った茶臼山が見えます。その奥は陣場平山。

★10月26日(日)に、中尾山--茶臼山ハイキングが行われます。
受付:午前8時から
集合場所:黒き学園グランド(旧共和小学校校庭)
出発式:午前8時半から9時
出発:午前9時
中尾山--茶臼山の一本松コースと山麓アップルコースがあります。
私は一本松コースのインストラクターをします。昨年、一本松コースは100名ほどの参加でした。当日参加も可能です。
交流会:正午から。恐竜公園内「童謡の森」昼食、ミニ公演、歌の後、解散となります。
◉お問い合わせ:026-292-6009(中尾山ハイキング実行委員会)


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必見!◆新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間:JEPA(pdf)ネオニコチノイド系農薬は、松枯れ病だけでなく、水田の除草剤やカメムシの除虫、空き地の除草剤や家庭用殺虫剤に使われていますが、元はベトナム戦争の化学兵器の枯葉剤と同様で(代表的なのがラウンドアップ:グリホサート剤)、脳の発達障害、多動性障害(ADHD)を引き起こす強力な神経毒の『農薬』ではなく、『農毒』です。

★妻女山山系の自然については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。

★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。

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