世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

言霊の力・3

2010-01-19 12:35:18 | 珈琲の海
相変わらずの日々です。脚のむずむず感がしんどくてつらいです。朝から体操したり、ミルクコーヒーを暴飲したりでなんとかしてます。毎回同じことばかり書きますが。

つらいですが、がんばってます。

今日、不思議なことがありました。
今、NHKの教育テレビの、「おはなしのくに」という番組で、宮沢賢治の「雪わたり」をやっているのですが、その番組の途中、おはなしをしている女優さんが、「月が青い棒を何本も突き刺している」と語った時点で、胸が震えて涙が止まらなくなったのです。前からそこは賢治らしいみごとな描写だと思っていたのですが、あんなに涙が出たのは初めてでした。

まるで、愛があふれ出てとまらなくなったかのように、泣き続けました。自分でもよくわからないのです。ただ「愛している」と叫んでいました。なぜなのかわかりません。愛があふれてとまらなくなったのです。

幸せでした。それこそ、愛してるっていったって、なぜなのかだれなのかさえわからないのに、自分が愛そのものになったかのように、幸せでした。

こんな感じは初めてではありません。ひさしぶりのことです。病気になってからは一度もありませんでしたが、前はちょくちょくありました。

「雪わたり」は賢治の優しさにあふれた作品です。愛の魂が純粋な形でしみとおっている作品です。それに感じ入ったのかもしれません。月が青い棒のように差し込んでいるときいただけで、目の前に不思議なその風景が見えるようだ。それこそ、月が物質化して皆に触りに来たかのような、天からの不思議な愛の描写のようだ。

ここのところ、病気のつらさで、そればかりでつらいつらいでしたが、ひさしぶりに魂の感動を味わって、幸福でした。宮沢賢治のおかげです。

言霊の力はこんなところからも発せられるのですね。


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