アンディ・ウォーホル、20世紀アメリカ、ポップ・アート。
これはマリリンの美だけを抽出した絵である。中身はない。マリリン・モンローは偽物の美女だった。好きな時にセックスができる都合のいい女を作ろうとして、男がやったのだ。頭の悪そうな女を一人選び、ふるいつきたくなるような色っぽい女の美をかぶせて、いい目を見させてやるからおれたちの言うことを聞けと言ったのだ。だがマリリンは馬鹿ではなかった。都合のいい女になることを全力で拒否した。だから殺されたのだ。だが女が死んだ後で男は思いを重ねた。実にかわいい女だったからだ。だから男は、マリリンの美だけをはいで、女神にしたのさ。愚か者め。この絵を見て思い知るがいい。こんなものが欲しかったのかと、この絵は男たちに言っているのだ。